季節養生

秋の食養生は「白い食材」がカギ

KAZU@FURYU
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この記事を書いた人

高田一壽

高田 一壽

たかだ かずひさ

役職
PNFCメソッド 開発者
株式会社ピーエヌエフシーテック 代表
臨床歴
30年以上
施術実績
月間200名以上
教育
療術学院・競輪学校等の講師も実施経験
指導実績
全国の障害者施設・高齢者施設・スポーツ団体
メディア
大手企業TVCM出演、各種スポーツ団体との契約指導

長年の現場経験から体系化されたPNFCは、「鍛える」のではなく 「本来の機能を取り戻す」 コンディショニング法として確立されました。

秋になると、毎年これが来る

「今年もこのパターンだ」と気づいた朝

朝起きて、布団の中で気づく。


喉がイガイガしている。昨夜は何もなかったのに。身体のどこかが、夜のうちに乾いていった感じがする。布団をはいで起き上がろうとすると、唇がかさかさで、鼻の奥もひりひりしている。


「あ、また今年もこのパターンだ」。そう思った瞬間に、小さな疲れが重なる。これが何年も続いている、という方がいます。


化粧のノリが急に悪くなった。肌が粉を吹いている。リップが手放せない。水をたくさん飲んでいるのに、便が硬くて出にくい。むくみもある。矛盾しているようで、でも毎年同じことが起きている。


保湿クリームを変えた。加湿器を買った。水を2リットル飲むようにした。それでも、肌は乾くし、喉はイガイガするし、便秘は続く。「もっと何かしなければ」という焦りだけが残る…。


「体質だから仕方ない」は、最もよく聞く言葉であり、最も早く手を止めてしまう言葉です。でも、PNFCの臨床現場で毎年秋に多くの方を見ていると、体質として諦められてきたものが、食卓の選択で変わり始めるケースに繰り返し出会います。もちろん全員に同じ変化が出るわけではありません。ただ、「毎年同じパターン」には、ほぼ例外なく共通の構造がある。


秋の不調は、「わかっているのにどうにもならない」という感覚と一緒に来ることが多い。白い食材が良いと聞いたことがある。水を飲むと良いと知っている。でも毎年同じことが繰り返される。その「分かっているのに変わらない」の奥に、まだ見えていない構造があります。


PNFCの臨床現場では、月間200名以上の方の身体と向き合ってきました。秋に来られる方の多くが、共通した訴えを持っています。「毎年9月になると喉がやられる」「今年は乾燥が早い」「お通じが悪い時期に限って肌も荒れる」。これらは別々の問題に見えますが、同じ一本の連鎖でつながっているんです。



水を2リットル飲んでいるのに、なぜ乾くのか

「乾燥には水分補給」。その言葉は正しい。ただし、見落とされがちな大切な前提がある。


養生の部屋でもこんな声がありました。「2リットル飲んでるのに便秘です。これ以上飲まなきゃいけないんですか?」と。水の量ではなく、水の届き先の問題があるのです。


問題の根は「水がどこへ行っているか」です。水を2リットル飲んでも、繊維がなければ大腸まで届かない。大腸に届く前に、おしっこで出ていく。だから、いくら飲んでもむくみと便秘が同時にある。「飲んでいるのに乾いている」という矛盾のように見える状態の正体がここにあります。


スイカを切ったとき、表面は乾いているのに中はジュースのように崩れていることがある。人間の身体も、同じような状態になっていることがあります。表面の汗はかけている。でも芯からの汗が出ていない。外側は乾いているように見えるのに、内側にも水が届いていない…。これが「飲んでいるのに乾く」の正体です。


水は繊維がなければ、大腸に留まらない。おしっこで出ていくだけで、大腸には届かない。大腸が潤わなければ、肺も潤わない。この連鎖が、秋の乾燥の正体なのです。


水を飲む
繊維がないと通過するだけ
大腸が潤わない → 肺も乾く

水と繊維はセットで摂る


東洋医学では、肺と大腸は表裏の関係にあります。肺が一番嫌うのは乾燥。肺が一番好きなのは潤い。大腸が潤えば、肺も潤う。これが五行「金」の連動のしかたです。


この「肺と大腸の表裏」という関係が、秋の不調を読み解く鍵になります。喉のイガイガと便秘が同時に出る。肌の乾燥と空咳が一緒に来る。ばらばらに見えるこれらの症状が、同じ一本の連鎖でつながっているのです。肺が乾けば大腸も乾く。大腸が詰まれば肺も乾く。どちらかだけを見ていると、いつまでも繰り返します。


保湿クリームが肌の外側からアプローチするように、食養は内側から働きかけます。食材を変えてもすぐには分からない。だから「効果がない」と思ってやめてしまう。「食べたその日ではなく、翌朝に結果が出る」という感覚があります。食卓の変化は、翌朝のお通じや肌の感覚として表れてくる。この感覚をつかむと、食養が続けられるようになります。


もう一つ、見落としがちな視点があります。白い食材は「色の象徴」として選ぶのではない。肺の粘膜をつくる素材として選ぶ。ここが分かると、秋の食卓の選び方が変わります。以前は「白い食材 = 秋に食べるもの」という認識でした。今は「肺の粘膜を構成する素材を選んでいる」という見方に変わっています。この再定義が、秋の食養の出発点です。



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秋の乾燥を、PNFCはこう見ている

第1層 表面に出ている症状 喉のイガイガ / 肌のカサつき / 空咳 / 便秘 / むくみ — 保湿しても水を飲んでも、なぜかまた乾く この奥に 第2層 水が届いていない 水が表面を流れるだけ / 大腸に届かない / 芯が乾いている — 水の量ではなく、水の届き先の問題 さらに奥に 第3層 / 根 夏からの連鎖と肺の疲弊 夏の腎の消耗 / 肺への滋養が届かない / 気(免疫力)の低下 — ここに手がつくと、上の二層が一緒に変わり始める

食卓を変えると、秋の身体が変わり始める

布団から起き上がった朝7時に、喉のひりひりがない。


洗面台の鏡を見ると、頬のつっぱり感が昨日より薄い。リップを塗らなくても唇が割れない。「なんか、今日は違う」という感触が、静かにある…。


大げさな変化ではありません。でも「あれ、今日は楽だな」と感じる日が増える。食卓を変えるというのは、そういうことです。翌朝のお通じの感覚が変わり、肌の質感が変わり、朝の喉の感触が変わる。この順番で変化が届いてくる。


養生の場に来られる方から、こんな話を聞くことがあります。「去年の秋、梨と大根をよく食べたら、冬に体調を崩すことが少なかった」と。一年を通して、秋に何を食べたかが、冬の身体を決める。食卓の記録が、身体の記録になる。こういう感覚を持てるようになると、食べることが面白くなります。「体のために食べる」より「季節の身体に合わせる」という感覚です。


梨を一つ。大根おろしを一品。れんこんのきんぴらを夕食に。どれも特別な食材ではありません。旬のものを食卓に並べるだけで、身体が本来持っている潤いを取り戻していくのです。


それでも「毎年同じ秋」から抜け出せなかった理由

ここで少し踏み込んだことを言います。嫌な話ですが、大切なことです。


白い食材が良いと知っていても、変わらなかった方が多い。なぜか。三つの条件が同時に揃わなければ、秋の乾燥は根から変わらないのです。


条件1:水の届き先を変える食材の選択(白い食材+繊維のセット)
白い食材だけを選んでも、繊維がなければ水は大腸に届かない。セットであることが前提。

条件2:夏からの連鎖を理解した上で始めるタイミング
秋に入ってから始めるのでは遅い。夏の腎の消耗が秋の肺の乾燥を決めている。白露(9月上旬)前後がターニングポイント。

条件3:食と胸郭の動きをセットにする
食材の潤いを肺に届けるには、胸郭(胸椎T1〜T12)が動いていることが前提。猫背で胸が詰まったままでは、食べたものが肺まで届かない。


この三つが同時に揃わなければ、根からは変わらない。白い食材だけ取り入れても、タイミングが遅くても、動きが伴わなくても、どれかが欠けると届かない。この条件の同時性を、ご自分一人で順番を組み立てながら実践するのは、構造的にかなり難しい。「なぜ変わらないのか」が分からないまま、毎年同じ秋を繰り返していた方は、条件が揃っていなかっただけです。


ご自分で順番を組み立てていく作業は、けっこう心細い作業です。「これで合っているのか」と立ち止まることが何度もある。その感覚は、間違いではありません。むしろ、ちゃんと身体と向き合っているサインです。


もう一点。秋の短さについても触れておく必要があります。以前は秋が3〜4ヶ月あった。今は「気づいたら冬だった」というペースになっています。秋が短いほど、白露(9月上旬)の前後から動き始めることが大切になってきます。早く動き始めた分だけ、冬に余裕が生まれます。



FOR / この記事が向いている人

向いている方

  • 毎年秋になると、同じような不調が繰り返される
  • 水を飲んでいるのに便秘とむくみが同時にある
  • 喉・肌・鼻の乾燥が毎年のように出る
  • 食事に気をつけているつもりなのに変わらない
  • 「なぜ白い食材が肺を潤すのか」の理屈を知りたい

今は別の道が合う方

  • 秋の乾燥は気にしていない
  • 食事より部位別のケアだけで解決したい
  • 短期完結型の答えだけを求めている

PREVIEW / ここから先で扱うこと

  • 白い食材が「肺の粘膜の素材」として機能するしくみ
  • 夏から始まっている、秋の乾燥の連鎖構造
  • 肺の時間・大腸の時間に合わせた食事と朝のリズム
  • 食材別の役割と、組み合わせの原則
  • ご自分の乾燥の深さを見立て、次の秋に活かす整え方

Q&A / 読みはじめる前に

Q. 食材の話だけですか?料理が苦手でも読めますか?

料理の手順は一切出てきません。「なぜこの食材が肺を潤すのか」という原理の話です。スーパーで何を選ぶか、食卓に何を並べるか、その判断基準が変わります。難しいレシピは不要です。

Q. 毎年秋に乾燥しますが、体質だと思っていました。

体質ではなく、繰り返しのパターンです。毎年同じ時期に同じ場所が崩れる場合、夏からの連鎖と食卓の選び方に、ほぼ例外なく共通の構造があります。

Q. 読んだあと、すぐ試せますか?

今日の夕食から変えられます。特別な食材を買い揃える必要はありません。スーパーで売っている旬の食材で十分です。原理を理解すると、選ぶ目線が変わります。

白い食材が肺の粘膜をつくる理由と、
秋の乾燥を根から整える食卓の話。

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概念図・PNFC独自の見立て

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秋の食養生は「白い食材」がカギ。水を飲んでも乾く理由と、肺が潤う食卓の整え方
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高田一壽
高田一壽
PNFC TEC JAPAN 会長
30年以上にわたり、月200名を超える人々の身体と向き合ってきた、日本でも稀有なコンディショニングのスペシャリストである。 東京療術学院で講師として専門家育成に携わり、全国の障害者施設・高齢者施設・スポーツ団体での指導を通じて、幅広い臨床経験を培ってきた。 大手企業のTVCM出演、各種スポーツ団体との契約指導、全国から寄せられる多数のセミナー依頼など、多方面で活動実績を積み重ねている。 その長年の現場経験から体系化されたPNFCは、運動能力の改善と身体の再構築を可能にするメソッドとして確立され、現在も全国からの依頼が絶えることはない。
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