体内時計と食事のタイミング
この記事を書いた人
高田 一壽
たかだ かずひさ
- 役職
- PNFCメソッド 開発者
株式会社ピーエヌエフシーテック 代表 - 臨床歴
- 30年以上
- 施術実績
- 月間200名以上
- 教育
- 療術学院・競輪学校等の講師も実施経験
- 指導実績
- 全国の障害者施設・高齢者施設・スポーツ団体
- メディア
- 大手企業TVCM出演、各種スポーツ団体との契約指導
長年の現場経験から体系化されたPNFCは、「鍛える」のではなく 「本来の機能を取り戻す」 コンディショニング法として確立されました。
食事に気を遣っているのに、なぜ身体が変わらないのか
「食べているものは悪くないはずなのに」と思っている方へ
サラダから食べる。玄米に切り替えた。添加物の少ないものを選ぶようにしている。
それでも、朝から胃がもたれる。
昼過ぎに強烈な眠気が来る。
夜ご飯のあとにぐったりする。
「食べているものは悪くないはずなのに」という言葉が、頭の中で繰り返される…
疲れが取れない。爪がもろくなってきた。肌のくすみが取れない。
爪を見るたびに、「また筋が増えた…」と感じる。それを「年齢のせい」と片づけてきた方に、少し待ってほしいことがあります。
食事に気を遣っているのに、こんな朝が続いている方がいます。
前夜は野菜を多めにしたのに、朝起きると胃が重い。サラダ先食べも玄米も続けているのに、昼過ぎの強烈な眠気は来る。何年も繰り返してきた「気を遣っているのに変わらない」という感覚。それは意志の問題でも、体質の問題でもありません。
PNFCの臨床現場では、月間200名以上の方と向き合ってきました。
食事に気を遣っているのに消化がうまくいかない方は、珍しくない。
そしてその多くに、共通する「見落とし」があります。
この話をすると、「では今まで食材を選んできたのは無駄だったのか」と言われることがあります。そうではありません。食材の質は必要条件です。ただ、それだけでは届かない。そのことを、もっと早く伝えられなかったことが、現場としての反省でもあります。
それは、「何を食べるか」に意識が向きすぎて、「いつ食べるか」が完全に抜け落ちている、ということです。
正直なところ、これが気になっています。栄養の情報は増え続けている。スーパーには機能性食品が並んでいる。でも、それだけ情報があるのに「食事に気を遣っているのに変わらない」という方が現場で減っていない。そこに、何かが見落とされていると感じてきました。
食材を整えても変わらない理由は、身体の「シフト表」にあった
栄養学は「何を」「どれだけ」食べるかを設計します。カロリー、タンパク質、ビタミン。それは間違っていない。
ただし、身体の臓腑にはそれぞれ「活発に働く時間帯」がある。栄養学はその時間軸を持っていません。
東洋医学では、これを「臓腑の時間割」と呼びます。脾と胃が動き出すのは朝の7時から11時。小腸が本格稼働するのは11時から15時。腎が静かに修復に入るのは夜の17時から21時。
この「シフト表」に合わせて食事を届けると、同じ食材でも身体への意味がまるで変わる。
逆に、シフトを無視した食べ方をしていると、どんなに良い食材を選んでも、臓腑が受け取れる状態にないんです。
たとえば、朝の7時。脾と胃がエンジンをかけようとしているその時間に、冷たいスムージーや脂っこいベーコンエッグを入れると何が起きるか。
まだウォームアップが終わっていないエンジンに、急に高負荷をかける感じです。脾胃は起き抜けに全力稼働を強いられる。午前中に胃がもたれて当然です。
夜の21時以降。腎が修復に入ろうとしているその時間に、重い食事が入ってくると、消化に血流が取られて腎の修復が後回しになる。これが「寝ても疲れが取れない」状態の正体のひとつです。
食材の質より先に、時間帯を見る
食材を変えても変化が出ない方の多くは、「いつ食べるか」が抜け落ちているだけです。問題は食材の質ではなく、届ける時間帯が臓腑のシフトと合っていない。
これを言い切ると、食の専門家から反論が来ることは分かっています。「栄養素の質こそが基本だ」という立場は正しい。でも、PNFCの臨床現場では、食材を変えるより先に時間帯を変えた方が、身体が早く反応するケースを何度も見てきました。だから、ここは言い切っておく必要があります。
ご自分だけでタイミングを整えることが難しい理由
ここで一つ、正直に言っておきたいことがあります。
「臓腑の時間割に合わせる」という考え方は、シンプルに聞こえます。でも実際にご自分でやろうとすると、いくつかの条件が同時に揃わないと動かないんです。
まず、臓腑のどの時間帯が今ズレているかを把握する必要があります。脾胃なのか、小腸なのか、腎なのか。ズレている場所によって、先に整えるべきタイミングが変わってくる。
次に、今の季節が臓腑の動きに与えている影響を読む必要があります。冬の朝は脾胃の立ち上がりが遅い。夏は小腸の負荷が高くなる。季節と時間帯の両方を重ねて見ないと、的外れになります。
そして最後に、自分の消化力の現在地を把握する必要があります。消化力が「要注意」の状態で、タイミングだけ整えようとすると、身体への負担が増えることもある。
「臓腑のシフト」×「季節の特性」×「現在の消化力」。この三つが同時に見えていないと、タイミングを整えようとしても空回りする。これをご自分一人で正確に読むのは、構造的にかなり難しいんです。
タイミングが合ったとき、朝の感覚が変わる
ここで少し先の話をします。
臓腑のシフトと食事が合い始めると、最初に変わるのは「朝のお腹の感覚」です。
朝7時、目が覚めたとき。お腹がきちんと空いている。前夜の食事の消化が夜のうちに完了している、そのサインです。
PNFCの臨床現場で見ていると、「朝にお腹が空く感覚が戻ってきた」と言われる方は、だいたいその3週間後から、昼の眠気も落ち着いてきます。
昼の12時頃。小腸が本格稼働している時間帯に、適切な量の食事をきちんと消化できている日は、午後3時を過ぎても意識が飛ぶような眠気は来ない。仕事の集中が夕方まで続く感覚。
夜21時以降に固形物を入れなかった翌朝、朝目覚めたとき、胃が軽い。
「今日は調子がいい」と感じるその朝が、腎が夜の修復を終えられた朝です。
朝目覚めたとき、お腹が空いている感覚が戻ってくる。食材を変える前に、その変化が先に来ます。
ご自身の身体に、こういう朝を取り戻すことができます。
ただ、全員に同じ速さで変化が出るとは言いません。
タイミングを変えても、身体がすぐに反応しない方がいる。その場合は、消化力そのものが先に疲弊しているケースが多い。順番を見直す必要があります。
FOR / この記事が向いている人
向いている方
- ✓食事に気を遣っているのに胃もたれ・眠気・疲れが取れない状態が続いている
- ✓「何を食べるか」は整えたが、「いつ食べるか」はあまり考えてこなかった
- ✓爪・髪・肌の変化が気になり始めた
- ✓臓腑の仕組みから食事を見直したい
- ✓一度学んで、自分で季節ごとに整え続けられるようになりたい
今は別の道が合う方
- —症状が出るたびに薬や点滴で対処できている
- —食事の仕組みより、手軽な改善法だけを求めている
- —消化の問題はないと感じている
PREVIEW / ここから先で扱うこと
- ●脾胃・小腸・腎が活発に動く時間帯と、その具体的な意味
- ●タイミングのズレが爪・髪・血・睡眠にどう波及するか
- ●季節ごとに食事タイミングを微調整する視点(冬・夏・秋)
- ●朝・昼・夕、時間帯別の食材の選び方(五行×臓腑の実践指針)
- ●ご自身の消化力の現在地を読む、セルフ見立ての地図
Q&A / 読みはじめる前に
Q. 食事制限をしないといけませんか?
制限は前提にしていません。食べるものを減らすのではなく、臓腑が動いている時間帯に合わせて届ける考え方です。食材を変える前に、タイミングを見直すことが先になります。
Q. 仕事の都合で食事時間が不規則な方でも使えますか?
使えます。「理想のタイミング」を知った上で、自分の生活動線の中でどこから手をつけるかを決める内容です。完璧にこなせなくても、一つ変えるだけで身体の反応が変わることがある。
Q. 食養生の本を読んできた方に、この記事は新しいものを届けられますか?
届けられます。一般的な食養生の本は「何を食べるか」が中心です。「いつ食べるか」を臓腑の時間割と季節の両方から読む視点は、30年以上の臨床現場から体系化したPNFC独自のものです。
ここから先に、もう一段深い話があります。
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