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夏の養生 完全ガイド

KAZU@FURYU
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この記事を書いた人

高田一壽

高田 一壽

たかだ かずひさ

役職
PNFCメソッド 開発者
株式会社ピーエヌエフシーテック 代表
臨床歴
30年以上
施術実績
月間200名以上
教育
療術学院・競輪学校等の講師も実施経験
指導実績
全国の障害者施設・高齢者施設・スポーツ団体
メディア
大手企業TVCM出演、各種スポーツ団体との契約指導

長年の現場経験から体系化されたPNFCは、「鍛える」のではなく 「本来の機能を取り戻す」 コンディショニング法として確立されました。

この一段奥にあたる話は、別の記事でゆっくり扱っています。
≫ 季節の変わり目、なんとなく調子が狂いませんか?

火・心・血脈から読む、夏の養生完全ガイド

毎年夏が来るたび、身体に借金を残している方へ

朝起きても身体が重い。エアコンをつけたまま寝たのに、汗をかいて目が覚める。台所に立つ気力がわかない。

昼過ぎになると、もう眠い。でも夜になっても、なぜか寝つけない…


この感覚に、思い当たるところがあれば続けて読んでください。

毎年夏が来るたびに焼肉を食べに行く。でも翌日、また重い。スタミナをつけようとして、翌朝また同じゼロ地点に戻っている。栄養ドリンクを飲んでも、翌日また身体が重い。何かが根本的に違うと感じながら、どこから手をつければいいか分からないまま、今年の夏もそこから始まった。


PNFCの臨床現場では、この「夏の三重苦」を抱えた方が月間200名以上の施術のなかで特に多く来られます。
そして決まって口にされることがあります。

スタミナをつけようと焼肉を食べに行ったら、余計だるくなりました


以前は、夏バテの原因は「スタミナ不足」だと思っていたんですね。だから栄養ドリンクを飲んで、うなぎを食べて、焼肉でパワーをつけようとした。でも、やればやるほど身体が重くなる。

夏バテの本当の原因は、スタミナ不足ではないんです。

原因は、「詰まり」です。水が滞り、血が巡らず、気が動けなくなっている。その状態で良いものを押し込もうとすると、詰まりはさらに深くなる。


冷房の効いた室内から外に出た瞬間、足先だけひんやりしているのに額は汗ばんでいる。あの感覚。身体が「暑い」と「冷えている」を同時に抱えているあの状態は、外は熱いのに内側の水が冷えて動けなくなっていることの現れです。「夏の冷え」という言葉は逆説ではなく、毎年起きているリアルな現象です。


気がつくと夏が終わる頃には肌が荒れ、頑張って乗り越えたはずの夏が身体に借金を残している。秋に入ると昨年より肌が荒れている、冬の免疫が落ちた、そのループが毎年繰り返される不調のパターン。
この借金の正体を知ると、夏の過ごし方がまるで変わります。



「スタミナをつける」は、詰まった管に水を押し込む行為

夏バテには肉を食べてスタミナをつけよう。長年そう言われてきました。焼肉、うなぎ、にんにく料理。

PNFCの臨床現場で30年以上繰り返し確認してきたのは、「肉は反対に身体をバテさせる」ということです。


なぜか。夏の身体は外気温と体温の差が小さくなるほど燃焼効率が落ちます。エンジンの温度と外気温が同じになると、エンジンは効率よく燃えられない。それと同じことが身体の中で起きています。

燃えにくい状態で脂の多い肉を入れると、消化に余計なエネルギーを使ってしまう。結果、身体はもっと疲れる。焼肉を食べたあとに余計だるくなるのは、勘違いでも食べ過ぎでもなく、タイミングが身体の構造と逆向きだったからなんです。


さらに肉のたんぱく質はアンモニアを発生させます。汗と混ざると独特の刺激臭になる。身体の外でそれが起きているなら、内側でも同じことが進んでいる。スタミナをつけようとして、身体の中を荒らしていた。これが夏の食のパラドックスです。


詰まった管に水を押し込もうとしても、水は流れない。それどころか内側の圧力が上がって、管はさらに重くなる。夏の身体に「良いもの」を入れるよりも先に、まず「悪いものを出す」準備を整えることが、夏の養生の本質なんです。


詰まった管に水を押し込む
圧力が上がって余計重くなる
これが「夏の借金」の作られ方

出す準備なしに入れても流れない…


この「順番」を間違えると、夏が終わる頃に身体が壊れます。



ご自分だけで順番を組み立てるのが、なぜ難しいか

「出す→入れる」の順番さえ守れば解決する、とはならないんです。

水を出すためには脾と胃が動いていることが必要です。脾と胃を動かすためには気の流れが止まっていないことが要る。気の流れを保つためには心が疲れすぎていないことが前提になる。


この三つが同時に整っていないと、夏の身体は上流から詰まり始める。そして梅雨から盛夏にかけての短い期間に、三段階が順番にやってくる。

問題は、この三段階が一気に来る年がある、ということです。ゆっくり順番に来れば対処できる。でも今年のように一気にどかっと来ると、第一段階を乗り越えないうちに第三段階に滑り込んでしまう。


第三段階まで来てしまうと、ご自分だけで回復させることが構造的にかなり難しくなります。なぜなら第三段階は「気の停滞」であり、気が詰まると精神と神経のコントロールが崩れるからです。動悸、不眠、なんとなくの不安感。これは「気のせい」ではなく、身体の上流で何かが詰まっているサインです。


PNFCの臨床現場で30年以上見てきた中で、正直に書いておきたいことがあります。夏の対症療法を繰り返した年の秋は、肌が荒れて免疫が落ちる。冬の風邪の引き方が変わる。翌年の春に疲れが抜けない。毎年の「夏の借金」は、そのまま翌年に積み重なっていきます。1回ならまだ回復できる。でも3年、5年と積み重なったとき、身体が「これが普通」と錯覚し始めます。そこまで来ると、回復の基準点そのものがずれてしまう。現場で繰り返し見てきたことです。


ご自分で順番を組み立てようとするのは、けっこう心細い作業です。「これで合っているのか」と立ち止まりながら、どの段階にいるか分からないまま対処する。その心細さを、まず正直に受け取っておきたいと思います。

ただし、PNFCが30年以上の臨床で確認してきたことで、「自力では無理」ではなく、「順番を間違えると無理」なんです。順番さえ整えば、ご自身の身体は必ず応答してきます。その地図を、ここから先で渡していきます。



夏を味方にした身体で、秋を迎えた方

夏の養生がうまくいった方は、9月の肌がきれいです。夏を超えたのに、くすみが少ない。疲れが残っていない。


朝7時に目が覚めたとき、布団の中が軽い。身体が重くない。エアコンで乾いた空気の中で、喉がひりひりしていない。舌を一度舐めてみたら、水分があった。夏の盛りにそれがあるとしたら、身体の中で水が動き始めているサインです。

午後3時に仕事の合間で立ち上がったとき、足の裏まで血が届いている感覚がある。冷房の中にずっといても、足先だけ切り離されたような冷たさがない。冷え切った床を踏んでも、足の指に確かに体温が残っている。

夜11時に横になったとき、あの「暑いのに眠れない」ざわざわがない。心が落ち着いて、汗がさらっとしている。布団の中で次の日のことを考えても、どこかが詰まっているような重さがない…


PNFCの臨床現場で確認してきた中に、こういう方がいました。毎年夏になると必ず動悸が出て、不眠が続いて、秋になると肌が荒れるというパターンを10年以上繰り返していた方です。夏の養生の順番を変えてから、その秋は「今年だけ大丈夫だったのかも」と言われていた。翌年の夏、同じことをやって、また秋は大丈夫だった。2年連続して初めて、「身体が変わったんだ」と静かにおっしゃっていました。


これは理想論ではありません。秋の肌を作るのは、8月の食卓です。9月の体力を決めるのは、7月の過ごし方です。


夏に身体が蓄えた「悪いもの」は、秋に入ったとたん免疫を下げ、乾燥に弱い肺を直撃する。逆に夏に「良い出し方」をした身体は、秋が来ても皮膚が荒れない。肺が空気の変化に対応できる。冬に引く風邪の数が減る。


夏という季節は、心(火行)が一年で最も活性化する季節です。他の季節なら小さくて済む問題が、この時期だけは心臓系の経絡を通じて全身に波及する。夏を「暑さを耐える季節」と見ているうちは、この連鎖に気づけない。「火のエネルギーを上手に使い、使いすぎずに流す季節」と見る瞬間に、養生の地図が手に入ります。



FOR / この記事が向いている人

向いている方

  • 毎年夏になると身体に借金が残り、そのループを断ちたい
  • 「スタミナをつける」をやめて、出す順番から整えたい
  • 水→血→気の三段階で何が起きているか、構造で理解したい
  • 今ご自身が三段階のどこにいるかを、ご自分で読めるようになりたい
  • 夏が秋・冬の身体をどう決めるか、一年単位で理解したい

今は別の道が合う方

  • 栄養ドリンクと対症療法だけで、今のところ充分整っている
  • 短い情報だけで答えをすぐに得たい
  • 構造を理解するより、特定のやり方だけを教えてほしい

PREVIEW / ここから先で扱うこと

  • 梅雨→盛夏→晩夏の三段階、水→血→気が止まるメカニズム
  • 心(火行)だけ「体」を持たない理由:精神・神経との回路
  • 三焦と正中神経:喉仏から下腹まで、夏の詰まりの縦軸
  • 梅・らっきょう・夏野菜の食養:出す準備の組み立て方
  • ご自身の夏バテが水・血・気のどの段階かを読む地図

Q&A / 読みはじめる前に

Q. 毎年同じ夏バテを繰り返しています。変わりますか?

繰り返す夏バテは、毎年同じ段階から崩れているはずです。構造として理解できると、翌年の夏が来る前に手が打てます。対症療法のループから出るための地図がここにあります。

Q. 動悸や夏の不眠が出ています。ご自分で対処できますか?

動悸と不眠は気の停滞(第三段階)のサインです。ご自分でできることとそうでないことの線引きを、この記事で明確にしています。まず段階を把握することが最初の一手です。

Q. 夏野菜や食養生は、毎食完璧にしないといけませんか?

完璧にしなくて大丈夫です。どれか一つだけ変えてみることが、脾と胃を動かす最初のきっかけになります。ご自身が続けやすい一歩の方が、完璧な計画より身体に届きます。

この続きは有料パート

五行完全ガイド/水・血・気の三段階解読

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高田一壽
高田一壽
PNFC TEC JAPAN 会長
30年以上にわたり、月200名を超える人々の身体と向き合ってきた、日本でも稀有なコンディショニングのスペシャリストである。 東京療術学院で講師として専門家育成に携わり、全国の障害者施設・高齢者施設・スポーツ団体での指導を通じて、幅広い臨床経験を培ってきた。 大手企業のTVCM出演、各種スポーツ団体との契約指導、全国から寄せられる多数のセミナー依頼など、多方面で活動実績を積み重ねている。 その長年の現場経験から体系化されたPNFCは、運動能力の改善と身体の再構築を可能にするメソッドとして確立され、現在も全国からの依頼が絶えることはない。
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