薬と食養の使い分け
この記事を書いた人
高田 一壽
たかだ かずひさ
- 役職
- PNFCメソッド 開発者
株式会社ピーエヌエフシーテック 代表 - 臨床歴
- 30年以上
- 施術実績
- 月間200名以上
- 教育
- 療術学院・競輪学校等の講師も実施経験
- 指導実績
- 全国の障害者施設・高齢者施設・スポーツ団体
- メディア
- 大手企業TVCM出演、各種スポーツ団体との契約指導
長年の現場経験から体系化されたPNFCは、「鍛える」のではなく 「本来の機能を取り戻す」 コンディショニング法として確立されました。
薬と食養の使い分け
サプリの袋を開けた瞬間、また同じ袋に手が伸びている
夜、洗面台の棚を開ける。ビタミンB群、鉄、マグネシウム、葉酸。いつの間にこんなに並ぶようになったんだろう、と少し止まる。
飲んでいないと不安だから続けている。でも、何が変わったかと問われると、答えに詰まる。これはご自身のことではないですか。
風邪をひけば市販薬を飲む。頭痛がくれば鎮痛剤。胃が重ければ胃薬。効くこともある。でも、また同じ症状が何度も繰り返しやってくる。そのたびに同じ棚を開ける。冷たいまま、重いまま、それが続いている。
その「止まり」は、無駄ではありません。身体が次の順番を求めているサインです。
薬とサプリの効き・効かないは、量や種類の問題ではありません。順番の問題です。体質のせいではありません。
食を基盤に整えてから、薬やサプリはその上に乗せる。この順番が逆になっている方が、臨床の現場では非常に多いです。
PNFCはこの「順番」を30年以上見てきました。食が先で、薬はあと。その原則を、ご自身の身体に合わせてどう組み立てるか。その地図を、この記事でゆっくりお伝えします。
食が基盤、薬は補足。この順番が逆になっている
以前、PNFCではサプリそのものを否定していませんでした。良いものを選んで正しく使えばいい、という立場でした。現場を見続けて、分かったんです。順番が間違っている方が多すぎる、と。
臨床の現場で「順番を間違えた方の身体」を見続けていると、ここを曖昧にする方が不誠実だと感じるようになったんです。これは少し言い切りすぎだとも思う。ただ、薬とサプリで長く遠回りしてきた方の表情を見ていると、どうしても言わざるを得ない。
PNFCの考え方では、薬やサプリは「食で基礎が整った上に乗せるもの」です。基礎が不安定な状態で薬を入れても、効果は限定的です。
たとえるなら、穴の開いたバケツに水を注いでいるようなもの。穴を塞ぐのが先です。
もう一つ、比喩を使わせてください。サプリは家具です。食は床と柱です。床も柱もない状態で家具だけ並べても、家は成り立たない。でも、多くの方が家具を選ぶことに夢中になっていて、床と柱を後回しにしてしまっている。
食べたものでその人の身体はできています。きれいな水の中に墨を一滴落としたくらいなら、水は澄んだまま。でも、墨がたっぷり混ざった水をきれいにするには、浄化にどれだけかかるか分からない。それと同じことが、食の基盤が崩れた身体の中で起きています。
…逆の順番では、なぜ効かない?
「身体に良いもの」という曖昧な言葉には、違和感を感じます。何が身体に良いかは、季節・体質・現在の連鎖段階の3軸で変わる。一律の「良いもの」などない。それが30年の臨床で見てきた現実です。
食の基盤が整うとは、「何を食べるか」だけの話ではありません。いつ、どんな形で、どの順番で食べるか。これら全てが揃って、初めて基盤と呼べます。サプリより先に、この土台を確認する。それが順番の話の本質です。
食を変えたら、同じ薬が「効き始めた」
臨床の現場で、繰り返し目にする光景があります。
食事を変えて数ヶ月後に、以前から飲んでいたサプリが急に効き始めた、という方が出てきます。サプリを変えたわけではありません。量を増やしたわけでもない。食の基盤が整ったことで、身体の吸収と循環の回路が戻ってきた。その結果、乗せていたものが届くようになったんです。
ある方のことを少しお伝えします。毎日複数のサプリを飲んでいたけれど、実感がなく、疲れも冷えも変わらない状態が続いていた。臨床でお会いしたとき、食の状況を聞くと、朝はパン、昼はコンビニ、夜は遅い時間に重いものという日々でした。
まずサプリを一旦脇に置いて、食の土台を整えることを優先してもらいました。朝に白湯とお粥。昼はしっかり。夜は軽め。加工食品を減らし、旬のものを中心に。特別なことは何もしていません。昔の人が普通にやっていたことです。
数ヶ月後、朝の起き上がりが変わったとおっしゃいました。以前は布団から出るのがつらかったのが、スッと起き上がれるようになった。その上で、必要なものだけを少量加えたとき、今度は以前と違う手応えがある、と。
変わらない方もいます。その場合は、別の層に詰まりがあるので、そこを先に解いてから食を組み立て直す必要があります。全員に同じ順序が当てはまるとは言いません。ただ、食の基盤なしに薬やサプリが十分に届くことは、構造的にありえないんです。
なぜこの順番で効くのか。その仕組みを有料パートで読み解きます。
PNFCで見てきた中で、食を変えることで「変わる時期」に共通点があります。1〜2ヶ月ほどで、まず朝の起き上がりに変化が出始める方が多い。次に、疲れの回復が早くなる。そのあとに、冷えの深さが変わってくる。この順番は、身体の回復が表層から深層へではなく、内側から外側へ広がっていくことを示しています。
食で内臓の温度を回復させると、血の流れが変わり、末端まで届くようになる。それが身体の内側から感じられるようになったとき、「食が先」という順番が腑に落ちます。頭で理解するより、身体で確認する。その順番自体が、食養の本質です。
この記事の有料パートで読めること
有料パートでは、食と薬の関係を構造的に掘り下げます。
- 「食→基礎安定→薬が効く」の階層構造
- なぜ加工食品が身体の受け入れ体制を壊すのか
- 消化力が弱った身体に「最初に入れるもの」
- 季節ごとの食養の優先順位
- 五臓×食材の具体的な対応関係
- 消化力を回復させるセルフコンディショニング
- 自分の「基礎レベル」を読むセルフ見立て
FOR / この記事が向いている人
向いている方
- ✓サプリや薬を飲み続けているのに、根本が変わらない実感がある
- ✓食と薬の「順番」を構造として理解したい
- ✓ご自分の基礎レベルを読む地図を持ちたい
- ✓長期的に身体と向き合い、整え続ける力を持ちたい
- ✓複数の不調が連鎖していることに薄々気づいている
今は別の道が合う方
- —対症療法だけで、充分整っている
- —短い情報だけで答えを得たい
- —受け身で改善を待ちたい
PREVIEW / ここから先で扱うこと
- ●見えている症状の三段下に流れている、根の構造
- ●上流から下流へ、三段階で進む連鎖の進行
- ●季節と五臓のリズムが、現在の症状に与える影響
- ●食・動き・呼吸で根に手をつける順番
- ●自分の連鎖の段階を読む地図が、手に入る
Q&A / 読みはじめる前に
Q. サプリをやめると、不安になりませんか?
一度に全てをやめる必要はありません。食の基盤を整えながら、少しずつ「本当に必要なもの」と「なんとなく飲んでいるもの」を分けていく。その過程で、ご自分の身体が必要としているものが見えてきます。
Q. 食を変えると、何ヶ月で変化が出ますか?
続けた方の中には、朝の起き上がりが変わる、という変化を感じる方が出てきます。ただ、変わらない方もいます。その場合は別の層に詰まりがありますので、そちらを先に見ていく必要があります。「食さえ変えれば必ず変わる」とは言いません。ただ、食を変えずに変わった方はいません。
Q. 自分でどこまで判断できますか?
この記事の内容を理解していただければ、「今の自分は食が先か動きが先か」という判断はご自身でできるようになります。ただ、体質・季節・連鎖段階の3軸を同時に組み立てることは、慣れるまでは一人では難しい。最初は地図を持って、徐々にご自分で歩けるようになっていただければと思います。
この続きは有料パート
概念図・PNFC独自の見立て
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