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更年期の不調は「ホルモンの問題」だけではない

KAZU@FURYU
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この記事を書いた人

高田一壽

高田 一壽

たかだ かずひさ

役職
PNFCメソッド 開発者
株式会社ピーエヌエフシーテック 代表
臨床歴
30年以上
施術実績
月間200名以上
教育
療術学院・競輪学校等の講師も実施経験
指導実績
全国の障害者施設・高齢者施設・スポーツ団体
メディア
大手企業TVCM出演、各種スポーツ団体との契約指導

長年の現場経験から体系化されたPNFCは、「鍛える」のではなく 「本来の機能を取り戻す」 コンディショニング法として確立されました。

更年期の不調は「ホルモンの問題」だけではない

ホルモン剤を飲んでも変わらなかった、あの翌朝のこと

朝7時。アラームが鳴っても、布団から出られない。

重い。だるい。足先はまだ冷たく、首の後ろには鉛を埋め込んだような重さが残っている。ホルモン剤を飲み始めてから何週間も経つのに、この朝の感覚だけは変わらないんです…

「薬を飲んでいるのに」という静かな失望。「年齢のせいだから仕方ない」と言い聞かせようとして、言い聞かせきれない。それは身体の問題というより、自分の身体への信用が、静かに薄れていく感覚でした。


顔がカーッと熱くなる。汗が止まらない。眠れない。イライラする。関節が痛い。髪が薄くなった。気力が出ない。

しかも毎年、同じ季節に同じ波が来る。去年の冬も同じように腰が重くなった。一昨年の夏も同じようにホットフラッシュが激しくなった。「連鎖して出てくる不調の正体」が見えないまま、また次の季節が来る。こんな朝を、何年も繰り返してきているんです…


これだけの症状が同時に出てくると、どこから手をつければいいかもわからなくなる。「病院へ」「整体へ」「漢方を」と動いてみても、それぞれがバラバラの対策で、どこかで繋がっている感じがしない。なぜ頑張っても元に戻るのか、その理由が見えない。


PNFCの臨床現場では、月間200名以上の方を診ています。
そのなかで更年期の不調を抱えた方は少なくなく、「ホルモン療法を試したが変化が感じられない」という声はよく聞きます。

ホルモン補充療法は悪いものではありません。症状が和らぐ方もいます。ただ、その療法で改善が感じられない方の身体を30年以上見てきて、気づいていることがあるんです。


更年期の本質は「ホルモンが減る病気」ではない。
身体の中の「温める力」と「潤す力」が同時に入れ替わろうとしている時期、それが更年期です。

「これは年齢のせいだから仕方ない」と諦めてきた方もいると思います。でも、年齢のせいではありません。体質だからではありません。腎の陰陽の入れ替えの順番が追いついていないという、構造の問題なんです。

「減っている」ではなく「組み立て直している」

以前は、更年期の不調を「ホルモンが枯れる老化」として見ていました。今はそうではなく、「腎の陰陽が入れ替わりの順番を組み直している時期」として見ています。この見方の違いが、どこに手をつけるかを大きく変えます。

東洋医学では、更年期を「腎精の自然な変容期」と見ます。

は生命力の貯蔵庫です。若い頃に蓄えた腎の力を、人生後半の30年に向けて再配分する期間、それが40代後半から50代にかけての時期なんですね。

ここが重要なところです。
ホルモン補充療法は「外から補う」アプローチです。身体の中から何かが減った、だから外から入れる、という発想ですね。

でもPNFCが現場で見ているのは、「減っている」のではなく「入れ替わりの順番が追いつかない」という状態です。


腎には二つの力があります。

腎陰は身体を潤す力。関節を滑らかにし、肌に艶を与え、脳を落ち着かせます。夜に静かに回復する力でもあります。

腎陽は身体を温める力。体温を保ち、代謝を動かし、朝に起き上がる力を生み出します。

健康な状態では、この二つはシーソーのように互いを支え合っています。魔法瓶のような構造です。内側の断熱層が「陰」、熱を届ける仕組みが「陽」。外から熱を足しても、内側の断熱層が壊れていれば熱は逃げる。更年期になると、この入れ替えが複数同時に起きる。そこで身体が追いつかなくなるんです。

OVERVIEW 更年期の腎陰陽・命門の三角構造 命門の火 腎陰と腎陽を動かす根本の熱源 腎陰(潤す力) 関節・肌・眠り・脳の鎮静 腎陽(温める力) 体温・代謝・起き上がる力 更年期 = 入れ替えの順番が追いつかない時期 外から補うのではなく、内側で組み立て直す

腎陰が先に落ちると、陽を抑える力が弱くなる。そうすると相対的に陽が暴走します。これがホットフラッシュです。身体が本当に熱いのではなく、陰の抑えが効かなくなって陽が上に昇ってしまう。だから顔は熱いのに足は冷たいという矛盾した状態が生まれるんです…


さらに時間が経つと腎陽も落ちてきます。今度は全体的に温める力が弱くなる。上半身のほてりと下半身の冷えが混在する。これが「上熱下寒」という状態です。

眠れないのは、腎陰が心の興奮を落ち着かせる力(水が火を制する関係)が弱くなっているから。イライラするのは、腎が肝に水分を送れなくなり、肝の熱が上がるから。関節が痛くなるのは、腎陰が減って潤いが届かなくなるから。

一見バラバラに見える症状が、実は腎の陰陽入れ替えの滞りから連鎖していることが多いんですね。

ご自分だけで陰陽の順番を組み立て直すことが難しい理由

「では、腎陰を補えばいいのか」「腎陽を温めればいいのか」。そう考えて食事を調整し、温活を試みる方もいます。

ただ、この「順番」がご自分だけでは見えにくいんです。

理由は三つの条件が同時に絡んでいるからです。

条件1:陰陽のどちらが先に落ちているかが、人によって違う
ほてり中心の方は腎陰不足が主、冷え中心の方は腎陽不足が主、混合の方は両方。同じ「更年期の不調」でも、補うべき方向は正反対のことがあります。

条件2:季節と五臓の連動が同時に動いている
いまが秋なら肺の乾燥、冬なら腎への直撃、春なら肝の揺れ。腎の状態と季節の流れを同時に読まないと、的が外れます。

条件3:身体の深さによって手をつける順序が変わる
症状が表層(第一層)にあるのか、巡りの停滞(第二層)にあるのか、五臓の根(第三層)まで届いているのか。深さによって、同じ食材・同じ動きでも効果がまったく違います。


この三つが同時に揃わないと、食養も動きも的外れになる。ご自分の陰陽の深さと順番を正確に見立てるのは、構造的にかなり難しいことです。

踏み込んだ言い方ですが、この見立てが外れたまま何年も続けている方を、PNFCの臨床現場で少なからず見てきています。熱心に取り組んでいるのに届かない。それは意志の問題ではなく、見立ての方向が合っていないことが多いんです。

正直なところ、PNFCが最も気になってきたのは「合っているはずなのに変わらない」という声の多さです。食事に気をつけている、温めている、動いている。それでも変わらない。その「引っかかり」が、この記事を書いている理由の一つでもあります。

「これで合っているのか」と立ち止まる瞬間は、そこに気づいているサインです。心細いのは当然なんです。

腎の組み立て直しが進んだとき、朝の身体が変わる

PNFCの臨床現場で、更年期の方が腎の陰陽を整え始めると、変化は静かなところから来ることが多いんですね。

朝7時。起き上がる前に足の裏に意識を向けると、今まで石のようだった足の指先が、じんわりと温かい。

午後3時ごろ。以前なら頭がぼんやりして集中できなかった時間帯に、手のひらをお腹に当ててみると保冷剤のような冷たさがなくなっている。

夜11時。横になっても心臓がドキドキして眠れなかった夜が、布団に入って30分で落ち着いている…


劇的に変わるのではなく、身体が「静かに落ち着く」感覚です。それが腎の陰陽が少しずつ組み立て直されているサインです。

言い切ります。腎の陰陽の順番が整い始めると、変化は必ず朝から来る。夜11時の眠りではなく、翌朝7時の足先の温度から来るんです。

もちろん、全員に同じ速度を約束するものではありません。腎の消耗の深さ、季節のタイミング、年齢によって違います。ただ、変化の順番は同じです。末端から温かくなり、朝の重さが軽くなり、連鎖して出ていた不調が一つずつ静かになっていく。


PNFCの臨床現場では、月間200名以上のなかに更年期の方も多くいます。外からホルモンを補う前に、身体の中で組み立て直す順序と深さを見ることが、長期的に見てより穏やかな変化に繋がることを現場で感じています。


FOR / こんな方に向いています

  • ホルモン補充療法や漢方を試したが根本的な変化を感じられない方
  • ホットフラッシュと足の冷えが同時に出て、何が原因かわからない方
  • 不眠・イライラ・だるさが複数同時に出ており、対処が追いつかない方
  • 食養や温活を試みているが「これで合っているのか」と迷っている方
  • 更年期を「病気ではなく変容期」として整えたい方

合わない方

  • 医師の指示によるホルモン療法を既に受けており、変更を考えていない方
  • 東洋医学の概念(腎陰陽・五行・命門)への関心がない方
  • 短期間での劇的な改善を求めている方

PREVIEW / このあとの本文では

  • 腎陰・腎陽・命門の火の三角構造と、更年期でなぜ崩れるのか
  • ホルモン補充療法 vs PNFCアプローチ(外から入れる vs 中で組み立て直す)の違い
  • 春・夏・秋・冬と更年期の連動(五臓の季節ごとの波及経路)
  • 腎陰虚・腎陽虚・混合型の5つの見立てサイン
  • 食養の四原則(黒い食材・温める・潤す・組み合わせ)と時間帯別の設計
  • 自律神経との関係(更年期×自律神経×季節の三重連動)
  • 時間帯別・五感別のセルフコンディショニング

Q&A / よくある問い

Q. ホルモン補充療法をやめるべきということですか?

いいえ。補充療法が必要な方もいます。PNFCのアプローチは「外から補う」と「中で組み立て直す」の両方があってもいいと考えています。ただ、補充だけでは届かない部分に、腎陰陽の見立てが役立つことがあります。

Q. 腎陰虚と腎陽虚の区別は自分でできますか?

ある程度は可能です。続きの本文に5つの見立てサインを記載しています。ただし、混合型(上はほてり、下は冷え)の場合、ご自身での判断は複雑です。見立てのポイントは続きの本文でお伝えします。

Q. 更年期が終わればこの不調も落ち着きますか?

腎の陰陽入れ替えが安定すれば、多くの症状は穏やかになっていきます。ただし、腎の消耗が進んだまま乗り越えた場合、更年期後に腰痛・骨密度低下・慢性疲労として残ることがあります。更年期を「通過するだけ」にせず、腎を整えながら乗り越えることが大切なんです。

この続きは有料パート

腎陰陽の構造・見立てサイン・食養設計・セルフコンディショニング

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高田一壽
高田一壽
PNFC TEC JAPAN 会長
30年以上にわたり、月200名を超える人々の身体と向き合ってきた、日本でも稀有なコンディショニングのスペシャリストである。 東京療術学院で講師として専門家育成に携わり、全国の障害者施設・高齢者施設・スポーツ団体での指導を通じて、幅広い臨床経験を培ってきた。 大手企業のTVCM出演、各種スポーツ団体との契約指導、全国から寄せられる多数のセミナー依頼など、多方面で活動実績を積み重ねている。 その長年の現場経験から体系化されたPNFCは、運動能力の改善と身体の再構築を可能にするメソッドとして確立され、現在も全国からの依頼が絶えることはない。
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