五行で自分の身体を読む方法
この記事を書いた人
高田 一壽
たかだ かずひさ
- 役職
- PNFCメソッド 開発者
株式会社ピーエヌエフシーテック 代表 - 臨床歴
- 30年以上
- 施術実績
- 月間200名以上
- 教育
- 療術学院・競輪学校等の講師も実施経験
- 指導実績
- 全国の障害者施設・高齢者施設・スポーツ団体
- メディア
- 大手企業TVCM出演、各種スポーツ団体との契約指導
長年の現場経験から体系化されたPNFCは、「鍛える」のではなく 「本来の機能を取り戻す」 コンディショニング法として確立されました。
季節の変わり目に調子が狂う理由は、別の記事でゆっくり扱っています。
≫ 季節の変わり目と身体の不調の関係
五行で自分の身体を読む方法
不調の名前が見つからない
朝7時、布団の中でアラームを止めた直後からなんとなく重い…昨日の疲れが抜けていない感じ。でも、病院に行くほどの症状でもない。
起き上がって鏡の前に立つと、唇の端がまた荒れている。昨日もそうだった。昨日の昨日もそうだった。朝食の後、なぜか甘いものへの衝動がやってくる。一週間、それが続いている。そして、椅子に座って膝の内側に手を当てると、そこだけひんやりと冷たい…。
これが自分のことだ、と思った方がいれば、この先を読んでみてください。
「この症状を医師に説明する単語が見つからない」と気づいた夜、自分の身体が自分の語彙の外側にあると感じてしまう…。そういう経験が、PNFCの現場に来る方にはよくあります。
検査をすれば「異常なし」。でも身体は確かに何かを訴えている。その訴えを「体質です」「年齢です」と片づけられてきた…。この言葉と一緒に帰ってきた夜の記憶が、PNFCの現場には重なっています。
以前は、PNFCも「不調ごとに対処する」発想でした。でも現場で患者さんを見続けるうちに、ある気づきが来た。唇の荒れと膝の内側の冷えを別々に扱っている限り、どちらも根本から変わらない。この二つは、同じ臓のラインから来ているのです。
ここで一つ、視点を変えてみます。
その複数の不調を、バラバラに見るのをやめる。
東洋医学には、数千年かけて磨かれてきた「身体の読み方」があります。木・火・土・金・水。五行という枠組みです。
難しそうに聞こえますが、実際にやっていることはシンプルです。唇の荒れ、甘いもの欲求、膝の内側の冷え。こういった日常の小さなサインを「どの臓のラインからの声か」と読み替える。それだけで、バラバラだった不調が一本の線でつながってくる…。
ただし、ここで正直に言っておく必要があります。
五行は、西洋医学が言う「臓器の解剖学的な機能」とは別物です。肝とは、肝臓そのものではなく、「筋・目・爪・感情の怒」を束ねた機能グルーピングのこと。腎とは、腎臓だけではなく、「骨・耳・髪・生命力の根」を束ねた機能グルーピングのこと。
これを知っておかないと、「唇が荒れているのになぜ膝が関係するのか」という疑問が解けないまま進んでしまいます。五行は解剖の地図ではなく、機能の地図なんです。
「症状別」で見ると、迷子になる
頭痛には頭痛薬。胃もたれには胃薬。膝が痛ければ湿布。冷えたら靴下。一つの症状に一つの対策。これが現代の普通の考え方です。
PNFCの現場で違和感を持ち続けてきたことがあります。「症状別に対処する流派が、五行をツールとして使い始めている」という現象です。頭痛なら肝、胃もたれなら脾、という一対一の翻訳。それは五行の使い方として、根本的にズレています。
症状別アプローチには、構造的な限界があります。頭痛と胃もたれが同じ時期に出ること。膝の冷えと唇の荒れが一緒に来ること。この「同時性」の意味が、症状別では読めないのです。
「池の底に穴が開いたまま水を継ぎ足し続けている」。これが症状別対処の構造的な問題です。唇の荒れと膝の内側の冷えが同時期に来ているなら、それは同じ脾胃のラインからの声です。
なぜそう言えるのか。脾の経絡は、足の親指から始まり、内くるぶしの前を通り、膝の内側を上がり、鼠蹊部へと走っています。この経絡ラインが冷えると、膝の内側に寒さが溜まりやすい。同時に、脾の「開く窓」は唇です。脾胃が弱ると、その状態が唇の乾燥・荒れとして表に出てくる。
症状別に対処していると、「今は唇の荒れが治まった」と思った頃に膝の冷えが悪化する。そしてまた唇が荒れる。この繰り返しの正体は、脾胃のラインが根本的に整っていないからです。
五行は「症状別」ではなく「臓のラインで身体を読む地図」です。この読み方を手にすると、バラバラに見えていた不調が一つの地図の上に整列してくる…。
「あ、だからか」がわかる朝が来る
春先にイライラしやすくなる。秋になると喉がカサカサする。冬はとにかく足が冷える。
以前は「これが自分の体質なのだ」と諦めていた方が、五行の地図を手にした後、「以前は体質だと思っていた。今は、どの臓のラインが偏っているかの問題だとわかった」と言う場面が、PNFCの現場では繰り返されています。
この変化は、朝の目覚め方にも出てきます。五行の地図を手にしたとき、「ご自身の不調がどの臓のラインから来ているか」が見える朝が来ます。朝7時、布団から出たとき、膝の内側がほんのり軽くなっている。唇の端を舌でなぞったとき、前の週よりも荒れが落ち着いている。その朝が来たとき、「あ、だからか」という言葉が自然に出てくる…。
春は肝。秋は肺。冬は腎。それがわかると、「なぜこの時期にこの不調が出るのか」の答えが、臓のラインを辿ることで見えてくる。季節の不調は偶然ではなく、五行の輪の流れに必然性があるのです。
食の好みにも出ます。甘いものが止まらない時期は、脾が疲れて助けを求めているサイン。酸っぱいものが欲しくなったら、肝が何かを必要としている。「今日何を食べようか」という選択の場面に、ご自身の身体からのメッセージが入り込んでいる…。
ただし、ここで正直に言っておく必要があります。
五行を「地図として使う」ためには、三つの条件を同時に揃える必要があります。
条件①「五行の相生・相剋の関係を立体的に掴む」。木→火→土→金→水の相生の輪と、木→土・火→金の相剋のクロス線。どちらも動いている中で読む必要があります。
条件②「ご自身の体質の偏り(虚か実か)を客観視する」。同じ脾の弱りでも、虚(足りない)なのか実(詰まっている)なのかで、整え方が全く逆になります。
条件③「今の季節と臓のスイッチを同時に追う」。春に腎を養うのか肝を養うのか、今の自分の状態と季節の両方を見ながら判断する必要があります。
この三つが同時に揃わないと、五行の地図は機能しません。一つでも欠けると、対症療法と変わらない「症状別の翻訳」になってしまう。だから独学では、足元の一症状を消す方向に流れていきやすいのです。
「全員のすべてを五行で読めるとは言いません」。例外もあります。ただ、ご自身の不調の大部分は、臓のラインを読むことで構造として見えてきます。その地図の読み方を、有料パートで順番に辿っていきます。
ここで踏み込んだことを言っておきます。三つの条件が同時に揃わないままでは、五行は「症状別の翻訳」から抜け出せません。独学で試みると、足元の一症状を消す方向に流れていく。そのうちに別の場所から不調が出る。この繰り返しに、心細くなる方がいます。それは五行が間違っているのではなく、地図の使い方に順序があるということです。
FOR / この記事が向いている人
向いている方
- ✓症状の表面ではなく、その三段下にある根に手をつけたい
- ✓入門記事だけでは物足りなくなった
- ✓連鎖の構造そのものを理解したい
- ✓自分の身体を読む地図を持ちたい
- ✓身につけて、ご自分で整え続ける力を持ちたい
今は別の道が合う方
- —対症療法だけで、充分整っている
- —短い情報だけで答えを得たい
- —受け身で改善を待ちたい
PREVIEW / ここから先で扱うこと
- ●見えている症状の三段下に流れている、根の構造
- ●上流から下流へ、三段階で進む連鎖の進行
- ●季節と五臓のリズムが、現在の症状に与える影響
- ●食・動き・呼吸で根に手をつける順番
- ●自分の連鎖の段階を読む地図が、手に入る
Q&A / 読みはじめる前に
Q. 運動が苦手でも、続けられますか?
続けられます。鍛えることが前提ではなく、本来の動きを思い出すことが前提です。激しい運動は出てきません。日常の合間に取り入れられる範囲で組まれています。
Q. 50代からでも、身体は応えてくれますか?
応えてくれます。30年以上の現場で、いちばん早く変化に気づくのは、むしろ長く諦めてきた方々でした。年齢は問いません。
Q. 読んだあと、すぐに変化を感じられますか?
早い方は読んだその日のうちに、身体のどこかが軽くなるのを感じます。順番の通りに辿っていただければ、応えてくれる方が多いです。
ここから先に、もう一段深い話があります。
この続きは有料パート
五行で読む身体の地図 / 概念図・PNFC独自の見立て
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