月経と冷えの深い関係
この記事を書いた人
高田 一壽
たかだ かずひさ
- 役職
- PNFCメソッド 開発者
株式会社ピーエヌエフシーテック 代表 - 臨床歴
- 30年以上
- 施術実績
- 月間200名以上
- 教育
- 療術学院・競輪学校等の講師も実施経験
- 指導実績
- 全国の障害者施設・高齢者施設・スポーツ団体
- メディア
- 大手企業TVCM出演、各種スポーツ団体との契約指導
長年の現場経験から体系化されたPNFCは、「鍛える」のではなく 「本来の機能を取り戻す」 コンディショニング法として確立されました。
この一段奥にあたる話は、別の記事でゆっくり扱っています。
≫ 靴下を重ねても、まだ足先が冷たい朝のために
月経と冷えの深い関係
毎月の憂うつが、年々重くなる
生理前になると、下腹が鈍く重い。腰も張る。頭もぼんやりする。
引き出しから鎮痛剤を取り出す午後3時。飲んで効くまでの30分、じっと待ちながら、「また今月も」という小さな諦めが、どこかに積もっていく…。若い頃はそれで済んでいたのに、最近はそれでも追いつかない日が出てきた。
生理前の1週間、なんとなく身体が重い。夕方になると下腹が引っ張られる感じがして、深呼吸するたびに腰の奥がじわっと張ってくる。仕事に集中しようとしても、意識の一部がずっとそちらに持っていかれる。「気力の問題」ではありません。身体が本当に消耗しているサインです。
夜、湯船につかりながら下腹部に触れてみると、ひんやりとしている。お湯に浸かっているのに、お臍の下だけが温まりにくい。その冷たさが何年も続いているなら、一時的なものではありません。身体が発している、静かな訴えです。こんな状態で諦めかけるのは、当然のことです。
婦人科に行けば「ホルモンバランスですね」と言われる。ピルを勧められることもある。間違いではないんですけど、なんとなく腑に落ちない。何かが、ちゃんと扱われていない感覚が残る。
冬になると生理痛がひどくなる。夏でもお腹を触ると冷たい。この二つは、無関係ではありません。
以前は月経の重さを子宮の問題と考えていました。しかし30年の臨床で、今では腎の冷えが上流にあると見ています。子宮単独で重くなっている方は、ほとんどいないんですよ。必ず上流に、腎の冷えという根があります。
月経の不調と冷えは、同じ根っこでつながっています。「ホルモン」の手前に、もっと上流の問題がある。
月経痛=ホルモンの問題、は本当か?
「月経が重いのはホルモンバランスが崩れているから」。これが一般的な説明です。確かに、ホルモンは関わっています。
でも、もう一歩手前を見てみます。
東洋医学では、子宮は「冷える組織」として見ます。ホルモンを出す器官としてではなく、血が集まり、温かさを保つことで機能する場所。
その子宮が冷えると、血の巡りが悪くなる。血の巡りが悪くなると、月経は来にくくなるか、逆にダラダラ続いてしまう。どちらの方向にもズレが出ます。
月経痛を子宮の問題として見ている限り、対処は鎮痛剤かピルになる。けれど臨床で腎・血流・骨盤底筋の3軸を整えると、子宮そのものには直接触らずに月経が変わる。子宮を見ない方が、子宮が動き出す。
これは、場所ではなく、順番の話なんですよね。ホルモンが乱れたから月経が重い、のではなく、冷えて血流が落ちたから、結果としてホルモンの働きも崩れてしまった。現象の下に、根があります。
ここに、もう一つ大事な条件があります。
①子宮の冷えを取る、②血の巡りを上流(腎)から立て直す、③骨盤と体側の可動を取り戻して内臓温度を上げる。この3つが同時に揃わなければ、月経の根は動かない。1つだけを頑張っても、戻りやすいんです。
この条件が揃うことで、ご自分の身体の中で何かが静かに変わっていきます。そのときの感覚は、「頑張って変えた」ではなく「気がついたら戻っていた」という質のものです。
…上流には、もっと深い原因が
この「順番」を知ると、対処の方法が変わります。
腰に手を当てたら、温かかった
PNFCの臨床現場で繰り返し見てきた変化があります。
朝7時、布団の中でまだ起き上がる前に、下腹に手を当ててみる。お臍の少し下、指3本ぶんのあたり。いつもひんやりしていた場所が、ほんのり温もりを持っている。最初は気のせいかと思う。でも翌朝も、その次の朝も、同じ温かさがある…。
こんな朝が続いている方は、身体が少しずつ変わってきている証拠です。これはご自身の話だ、と感じた方は、ここから先がご自身の身体の地図になります。
そういった変化に気づいた方が、「今月、鎮痛剤を飲まずに済みました」と伝えてくださることがあります。冷えていた場所が温まってきたことと、月経の変化が同時期に起きる。PNFCの現場では、この順番が繰り返されます。
力を入れて何かを変えたわけではありません。冷えていた場所が、ゆっくり温まっただけです。
この変化の特徴は、「劇的に改善した」というより「あれ、今月は薬を飲まなかった」と後から気づく、静かなものが多いということです。身体が戻る時の質感は、そういうものです。大きな力ではなく、内側からの温もりが少しずつ積み重なる感覚…。
もう少しだけ、その質感を具体的に書かせてください。
朝6時、目が覚めたとき。足先がまだ布団の中にある。そのままゆっくり、腰の真後ろに両手を差し込んでみる。背骨の両脇、肋骨の一番下のあたり。そこが以前よりやわらかい、という感触が少しずつ増えてくる。カチカチだった腰の奥が、押してもそんなに痛くなくなっている。
昼間、立ち仕事が続いた夕方でも、下腹が締め付けられる感じがいつもより少ない。生理前の1週間なのに、頭のぼんやりが軽い。鎮痛剤を手に取ろうとして、「まだいいか」と引き出しを閉めた日。そういう小さな瞬間が、変化の入口です。
これは「頑張って改善した」感覚ではありません。正確に言うと、「当たり前のように冷えていた場所が、当たり前のように温かくなっている」という感覚です。身体が元に戻るときは、こういう静かな質感で来ることが多いんです。
なぜ温まると月経が楽になるのか。その構造を、ここから先で詳しく読み解きます。
この記事の有料パートで読めること
有料パートでは、月経と冷えの関係を構造的に掘り下げます。
- 腎の冷え→子宮への血流低下→月経異常の連鎖構造
- 月経の不調が肌・髪・気力にまで波及するメカニズム
- なぜ冬から春の変わり目に月経痛が悪化するのか
- 子宮を温める食材と、逆に冷やしてしまう食材
- 骨盤周りの動きの原理とセルフコンディショニング
- 自分の冷えの深さを知るセルフ見立てガイド
知りたい方だけ、どうぞ。
FOR / この記事が向いている人
向いている方
- ✓症状の表面ではなく、その三段下にある根に手をつけたい
- ✓入門記事だけでは物足りなくなった
- ✓連鎖の構造そのものを理解したい
- ✓自分の身体を読む地図を持ちたい
- ✓一度学んで、自分で整え続ける力を持ちたい
今は別の道が合う方
- —対症療法だけで、充分整っている
- —短い情報だけで答えを得たい
- —受け身で改善を待ちたい
PREVIEW / ここから先で扱うこと
- ●見えている症状の三段下に流れている、根の構造
- ●上流から下流へ、三段階で進む連鎖の進行
- ●季節と五臓のリズムが、現在の症状に与える影響
- ●食・動き・呼吸で根に手をつける順番
- ●自分の連鎖の段階を読む地図が、手に入る
Q&A / 読みはじめる前に
Q. 運動が苦手でも、続けられますか?
続けられます。鍛えることが前提ではなく、本来の動きを思い出すことが前提です。激しい運動は出てきません。日常の合間に取り入れられる範囲で組まれています。
Q. 年齢を重ねてからでも、変化は望めますか?
身体は何歳からでも応えてくれます。30年以上の現場で、いちばん早く変化に気づくのは、むしろ長く諦めてきた方々でした。年齢は理由になりません。
Q. 読んだあと、すぐに変化を感じられますか?
早い方は読んだその日のうちに、身体のどこかが軽くなるのを感じます。順番の通りに辿っていただければ、応えてくれる方が多いです。
ここから先に、もう一段深い話があります。
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概念図・PNFC独自の見立て
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