尿漏れ・骨盤

内ももと骨盤底は、つながっている

KAZU@FURYU

内ももと骨盤底は、つながっている

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この記事を書いた人

高田一壽

高田 一壽

たかだ かずひさ

役職
PNFCメソッド 開発者
株式会社ピーエヌエフシーテック 代表
臨床歴
30年以上
施術実績
月間200名以上
教育
療術学院・競輪学校等の講師も実施経験
指導実績
全国の障害者施設・高齢者施設・スポーツ団体
メディア
大手企業TVCM出演、各種スポーツ団体との契約指導

長年の現場経験から体系化されたPNFCは、「鍛える」のではなく 「本来の機能を取り戻す」 コンディショニング法として確立されました。

骨盤底筋の体操を続けているのに、変わらない

朝目覚めて、布団の中で骨盤のあたりを意識する。
重い。下腹部がまだ重い。
少し動こうとすると、
内ももから骨盤のまわりが固まっているような感覚がある。


こんな朝を、何度経験してきただろうと思う方がいます。
これは自分の話だ、と感じた方に向けて書いています。


ネットで調べて、骨盤底筋の体操を始めた。
締めて、緩めて、また締めて。


2週間やっても、変化がない。
1ヶ月続けても、くしゃみのときに
ひやっとする感覚は消えない。


「やり方が間違っているのかな」
「自分には効かないのかな」

そう思って、やめてしまった方も
少なくない…。


本当の問題は、やり方ではありません。
骨盤底筋には「一緒に働くチームメイト」がいます。
そのチームメイトが動いていないと、
骨盤底筋の体操をしても変化は出にくいのです。



「骨盤底筋だけ」では、なぜ効かないのか

尿漏れ対策で最もよく聞くのが
「骨盤底筋を鍛えましょう」。


確かに、骨盤底筋は排泄のカギを握る筋肉です。
でもPNFCでは、骨盤底筋「だけ」に
注目するのは順番が違うと考えます。


骨盤底筋のすぐ隣に、
内転筋(ないてんきん)という筋肉群があります。
太ももの内側を走る筋肉です。


この内転筋は、骨盤を支えるチームメイト。
内転筋が硬くなると、骨盤が不安定になり、
骨盤底筋は正しい位置で機能できなくなります。


家の土台が傾いた状態で
壁だけ塗り直しても意味がないのと同じです。


しかも東洋医学では、内転筋の走行に沿って
「膀胱」と「腎」の経絡が通っています。

内転筋の「筋分け」という場所。
いちばん柔らかいところが膀胱の線。
そのすぐ上が腎の線。


だから内転筋を整えると、
骨盤底筋だけでなく、
膀胱と腎の機能にも同時に影響する。


内転筋が硬い
骨盤底筋がずれる
締めても効かない

…内転筋の中には、さらに深い連鎖が



30年以上の臨床で、
骨盤底筋の体操を続けても変わらない方に
PNFCが最初に確認するのは
内転筋の硬さです。


内転筋の中には複数の経絡が並走しており、
その走行と東洋医学の膀胱・腎のラインが
重なっています。
骨盤底だけに意識を向けても
この「土台のライン」が硬いままでは、
連鎖は届かない。


届く場所が違っていた。
それだけのことです。
やり方の問題でも、意志の問題でもありません。



* * *

尿漏れと骨盤を、PNFCはこう見ている

第1層 表に現れている症状 尿漏れ / 頻尿 / 骨盤の不安定さ / 下半身の冷え / 産後の戻りにくさ — ここを揉んでも、しばらくすると戻ってくる この奥に 第2層 巡りと呼吸の停滞 血の流れが鈍る / 水の巡りが滞る / 呼吸が浅くなる / 自律神経の揺れ — 第1層の症状を作り出している、ひとつ手前の流れ さらに奥に 第3層 / 根 五臓の循環と季節のリズム 前の季節の過ごし方 / 五臓の連鎖 / 使われ方のズレ / 深層の眠り — ここに手がつくと、上の二層が一緒にほどけはじめる

内側から変わっていく感覚

内転筋と骨盤底筋の連携が戻ると、
身体の感じ方が変わります。


太ももの内側にじんわりした感覚が戻る。
骨盤の底に、静かな安定感が生まれる。


くしゃみや笑いのときに
身体を「固める」必要がなくなっていく。
意識しなくても、自然に締まっている。


鍛えた感覚ではなく、
「本来の機能が戻ってきた」という感覚。


朝7時、起き上がるとき
骨盤のあたりに静かな安定感がある。
以前は固まっていた内もも全体が
じんわり温かくなっていて、
くしゃみが来ても「固める」ことをしていない。
これが「返ってきた」感覚なんです。


朝目覚めて布団の中で骨盤まわりが軽い。
「あ、今日は違う」と気づく朝…
臨床で繰り返し聞く言葉です。


そしてここが面白いところですが、
内転筋が柔らかくなると
腰痛も一緒に楽になることがある。
お尻の位置が上がる人もいます。


全部つながっている。
だから、つなげてアプローチすると
思いがけない場所まで変わっていく。



FOR / この記事が向いている人

向いている方

  • ケーゲル体操を続けても、深いところが変わらない感覚がある
  • 産後や更年期から、骨盤の感覚が戻りきらない
  • 人に言いにくい不安を、構造から理解したい
  • 尿漏れと一緒に、下半身の冷えや腰のだるさもある
  • 「鍛える」ではない別の道があることを知りたい

今は別の道が合う方

  • 今のセルフケアで、気持ちよく整っている
  • 医療機関での治療を最優先に考えている
  • 短期間で結果を保証してほしい

PREVIEW / ここから先で扱うこと

  • 横隔膜・内臓位置・ソ径部・骨盤底、どの順番で起き上がるかが見える
  • 産後と更年期、それぞれの骨盤底が応える違いと整え方
  • ケーゲル体操の何が足りなかったのか、その先の道筋
  • 骨盤底に届く食と動きの組み立て、日常の中での取り入れ方
  • 自分の骨盤底の状態を、呼吸と足首から自分で読めるようになる

Q&A / 読みはじめる前に

Q. 運動が苦手でも、続けられますか?

続けられます。鍛えることが前提ではなく、本来の動きを思い出すことが前提です。激しい運動は出てきません。日常の合間に取り入れられる範囲で組まれています。

Q. 年齢を重ねてからでも、身体は応えてくれますか?

応えてくれます。順番の問題であって、年齢の問題ではないからです。30年以上の現場で、いちばん早く変化に気づくのは、むしろ長く諦めてきた方々でした。今から順番を取り戻すことができます。

Q. 読んだあと、すぐに変化を感じられますか?

早い方は読んだその日のうちに、身体のどこかが軽くなるのを感じます。順番の通りに辿っていただければ、応えてくれる方が多いです。

ここから先に、もう一段深い話があります。



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骨盤底の悪循環

骨盤底がゆるむ

動きが慎重になる

さらにゆるむ

内臓が下垂

↻ どこか一点を変えると、ループ全体がほどけはじめます。

内転筋の硬直から、身体のあちこちがほどけない

尿漏れだけではありません。
内転筋が硬くなると、
腰痛・膝の重さ・足の冷え・むくみが
同時に出てきます。


内転筋の内側を走る経絡は
「水系のライン」です。
ここが詰まると、下半身の水の流れが全体として停滞する。
膝に水が溜まりやすい方の内転筋に触れると、
ほぼ例外なく硬直しています。


靴の内側だけがすり減っていたら、
内転筋がうまく使えていないサインとして読めます。
靴底は「使われ方のズレ」を静かに記録しています。


尿漏れと腰痛と冷えは、別々の問題ではなく
同じ根から出ている。

内転筋というひとつの起点から
全体に連鎖がかかっているからです。


外旋筋が弱ると、股関節の回旋力が落ちて
血が下がりやすくなる。
足がむくみ、冷えが強まる。
冷えが強まれば、内転筋はさらに硬くなる。
硬くなれば骨盤底はずれたまま。
このループが「何年やっても変わらない」の正体です。



冬に内転筋が硬くなるのは、五行で読める

寒い朝、ベッドから起き上がるとき
太ももの内側がこわばっている。
冬に身体が内側へ固まるのは、理由のある反応です。


冬は「水」の季節。
腎と膀胱が最も消耗する時期です。

そして内転筋の中を通る経絡は、
まさにこの腎と膀胱のライン。


五行と季節の対応
季節 五行 感情
晩夏


冬は腎陽が消耗する。
腎陽が落ちると、内転筋を通る血流も落ちる。
血流が落ちると、筋肉は硬くなる。


だから冬は特に、
内転筋が硬くなりやすい。
尿漏れが冬に悪化する方には、
この腎陽低下の循環が起きています。


寒さで骨盤が内転してくると、
外旋筋が弱って血が下がりやすくなる。
足がむくむ、冷える、
そして尿漏れが増える。
これは冬になると相談が激増する症状パターンです。
PNFCが寒い時期に
内転筋と外旋筋の両方を整えることを重視するのは
このためです。


五行でいう「恐」の感情が腎に属することも
見逃せません。
「人に言えない」「外出が不安」という
心細さは、腎の消耗をさらに加速させます。
身体の問題だけでなく、
その心細さも含めて養生の対象です。


逆に言えば、冬の間に
内転筋の柔軟性を保つ養生ができると、
春の身体の動き出しが全然違ってきます。
腎に蓄えられたものが、
春の肝の動きに引き渡される。
冬の養生は「未来の春」をつくるんです。



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前の季節の過ごし方が、次の季節の身体をつくる

春 木 / 肝 芽吹き・巡り 夏 火 / 心 発散・喜び 晩夏 土 / 脾 受け入れ・消化 秋 金 / 肺 手放し・潤い 冬 水 / 腎 蓄え・休息 めぐる順序 春の肝が動き 夏の心へ送られる 晩夏の脾が受けとめ 秋の肺が手放し 冬の腎に蓄えられる 陰陽五行の相生図 / 風流PNFC 作図



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深層を覚ます順番を、ご一緒に辿る

STEP 01 起こす

深層に届く呼吸を、ひとつ取り戻す

激しい運動の前に、横隔膜の動きを取り戻す。眠っていた深層筋に「これから動くよ」と合図を送る段階です。

STEP 02 ほどく

こわばっている関節を、小さく回す

大きく伸ばすのではなく、小さく回す。可動域を広げるのではなく、軸のズレを少しずつ整えていきます。

STEP 03 巡らせる

整えた身体を、自分のリズムで動かす

深層が起きて、関節がほどけたあとなら、ふだんの動きそのものが養生になります。順番を守ることが、いちばんの近道です。

起こす / ほどく / 巡らせる ── この順番が逆になると、せっかくの動きが届きません。

この3ステップがなぜ重要なのか、
骨盤底という場所の特性から考えてみます。


骨盤底は「意識して動かせる」筋肉と
「意識しなくても動く」深層筋の境界にいる。
だからケーゲル体操のように
「意識して締める」アプローチは、
表層には届くけど深層には届かない。


深層の骨盤底筋群に届かせるには、
まず横隔膜を動かす(STEP 01・起こす)必要がある。
横隔膜が動くと、腹圧の変化が下方向に伝わる。
そこに内転筋からの連鎖が加わることで、
骨盤底の深部まで刺激が届くんです。


これが「骨盤底に意識を向けるより
内転筋から入る方が変化が出やすい」
理由です。
内転筋という入口から入ると、
深層の骨盤底に自然と繋がっていく。


ご自分で試してみるとしたら、
まずは横向きに寝た状態で
片方の足をゆっくり上下に動かしてみてください。
この動きの中に、内転筋とハムストリングと
足裏が同時に関わる瞬間があります。
そのとき、お腹の深いところに
じんわりした感覚があれば、
連鎖が起き始めているサインです。


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概念図・PNFC独自の見立て

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高田一壽
高田一壽
PNFC TEC JAPAN 会長
30年以上にわたり、月200名を超える人々の身体と向き合ってきた、日本でも稀有なコンディショニングのスペシャリストである。 東京療術学院で講師として専門家育成に携わり、全国の障害者施設・高齢者施設・スポーツ団体での指導を通じて、幅広い臨床経験を培ってきた。 大手企業のTVCM出演、各種スポーツ団体との契約指導、全国から寄せられる多数のセミナー依頼など、多方面で活動実績を積み重ねている。 その長年の現場経験から体系化されたPNFCは、運動能力の改善と身体の再構築を可能にするメソッドとして確立され、現在も全国からの依頼が絶えることはない。
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