尿漏れの奥にある「水の巡り」の問題
尿漏れの奥にある「水の巡り」の問題
この記事を書いた人
高田 一壽
たかだ かずひさ
- 役職
- PNFCメソッド 開発者
株式会社ピーエヌエフシーテック 代表 - 臨床歴
- 30年以上
- 施術実績
- 月間200名以上
- 教育
- 療術学院・競輪学校等の講師も実施経験
- 指導実績
- 全国の障害者施設・高齢者施設・スポーツ団体
- メディア
- 大手企業TVCM出演、各種スポーツ団体との契約指導
長年の現場経験から体系化されたPNFCは、「鍛える」のではなく 「本来の機能を取り戻す」 コンディショニング法として確立されました。
水をちゃんと飲んでいるのに、むくむ
「水はしっかり飲みましょう」
そう聞いて、毎日2リットルを目標にしてきた。
でも、夕方になると足がパンパンになる。
トイレの回数ばかり増えて、
身体がすっきりした感じがしない。
飲み方が悪いのかな。
量が足りないのかな。
そう思ったことがある方は多いと思います。
実は、本当の問題は「飲む量」ではありません。
水を身体のすみずみに届ける力。
不要な水を外に出す力。
この「巡らせる力」そのものが
落ちている、ということがあります。
「たくさん飲めば巡る」は、半分しか正しくない
「1日2リットル飲みましょう」
健康情報でよく見かける話です。
確かに、水分は足りている方がいい。
でもこの話には、前提が1つ抜けています。
飲んだ水を「どこに届けて、
どう排泄するか」を管理する臓器があること。
東洋医学では、
脾(ひ)が水を全身に配分し、
腎(じん)が不要な水を排泄します。
この2つが連携して初めて、
水は身体の中を正しく巡る。
脾と腎の連携が崩れていると、
水をたくさん飲んでも
全部トイレに出ていくか、
どこかに溜まってむくみになる。
要は、蛇口の量を増やしても
配管が詰まっていたら意味がない、
ということです。
…水の滞りは、ここで終わらない
尿漏れと骨盤を、PNFCはこう見ている
巡る力が戻ると、身体の感触が変わる
脾と腎の連携が整ってくると、
水の届き方が変わります。
夕方に重たかった足が、少し軽い。
朝の顔のむくみが、気にならなくなる。
トイレの回数が落ち着いて、
一回の排尿がしっかり出るようになる。
「2リットル飲まなきゃ」という焦りが
静かに消えていく。
喉が渇いたときに飲む。
それで自然と足りるようになる。
水の巡りが整うと、血の巡りも整います。
血液の大部分は水分ですから、
水が巡れば血も動き始める。
冷えが楽になった。
肌の調子がよくなった。
そういう変化が後から付いてきます。
FOR / この記事が向いている人
向いている方
- ✓ケーゲル体操を続けても、深いところが変わらない感覚がある
- ✓産後や更年期から、骨盤の感覚が戻りきらない
- ✓人に言いにくい不安を、構造から理解したい
- ✓尿漏れと一緒に、下半身の冷えや腰のだるさもある
- ✓「鍛える」ではない別の道があることを知りたい
今は別の道が合う方
- —今のセルフケアで、気持ちよく整っている
- —医療機関での治療を最優先に考えている
- —短期間で結果を保証してほしい
PREVIEW / ここから先で扱うこと
- ●横隔膜・内臓位置・ソ径部・骨盤底、どの順番で起き上がるかが見える
- ●産後と更年期、それぞれの骨盤底が応える違いと整え方
- ●ケーゲル体操の何が足りなかったのか、その先の道筋
- ●骨盤底に届く食と動きの組み立て、日常の中での取り入れ方
- ●自分の骨盤底の状態を、呼吸と足首から自分で読めるようになる
Q&A / 読みはじめる前に
Q. 運動が苦手でも、続けられますか?
続けられます。鍛えることが前提ではなく、本来の動きを思い出すことが前提です。激しい運動は出てきません。日常の合間に取り入れられる範囲で組まれています。
Q. 何年も続いてきた感覚でも、変化を期待していいですか?
長く続いてきたということは、それだけ身体が「その状態に慣れてきた」ということです。慣れた状態は、適切な入力があれば変わります。30年以上の現場で、いちばん早く変化に気づくのは、むしろ長く諦めてきた方々でした。
Q. 読んだあと、すぐに変化を感じられますか?
早い方は読んだその日のうちに、身体のどこかが軽くなるのを感じます。順番の通りに辿っていただければ、応えてくれる方が多いです。
水が止まると、血も止まる
ペットボトルの水を一気に飲んで、
30分後にトイレに行く。
飲んだ分がそのまま出ていく感じ。
あの感覚、思い当たる方は多いと思います。
水が身体を素通りしているとき、
内部では何が起きているか。
まず、脾が水を全身に配分できていない。
飲んだ水が膀胱に直行して、
必要な場所に届いていない状態。
この状態が続くと、次に起きるのは
水の停滞です。
配分されない水が、どこかに溜まる。
足がむくむ。
お腹がぽちゃぽちゃする。
顔がパンパンになる。
そしてここからが大事なんですが、
水が停滞すると、次に血の巡りが落ちます。
血液の大部分は水分ですから、
水が動かなければ血も動かない。
脾の配分力が低下
水が停滞(むくみ・頻尿)
血の巡りが悪化
血の停滞(冷え・こり・痛み)
水→血→全身。
この連鎖は、順番を追って進みます。
冬の夜、布団に入っても足が冷たい。
もし同時にトイレも近いなら、
それは水の停滞が血の停滞に進んでいる
サインです。
だから、むくみや頻尿を
「水の飲みすぎ」で片付けてはいけない。
脾と腎の連携を取り戻すことが先です。
骨盤底の悪循環
①
骨盤底がゆるむ
②
動きが慎重になる
④
さらにゆるむ
③
内臓が下垂
↻ どこか一点を変えると、ループ全体がほどけはじめます。
水の滞りが、全身に波及するとき
朝起きたとき、手の指がこわばっている。
グーが握りにくい。
そんな日が増えてきたら…。
水の停滞は、
排泄の問題だけでは済みません。
水の巡り低下
内転筋の内側は「全部水」と言われています。
ここに贅肉がつくと、
膝に水が溜まりやすくなる。
エアコンの効いた部屋で
一日デスクワークをした夕方、
靴がきつくなっている。
それは水が下半身に溜まっているサイン。
そしてその水が冷えると、
次は冷え性として出てきます。
むくみ、頻尿、冷え、関節のこわばり。
バラバラに見えるけれど、
全部「水の巡り」でつながっています。
季節ごとに、水の巡り方が変わる
真夏の午後、汗をかきすぎて
喉がカラカラになる日があります。
夏は「気」が上に抜けやすい季節です。
気と一緒に水も蒸気のように抜けていく。
汗、尿、そして唾液まで減ってくる。
夏に水と気を失いすぎると、
秋に気を補充しようとしても
入れる器がなくなっている。
冬に腎が冷えすぎると、
水の排泄管理そのものが乱れる。
季節ごとに、身体が水に求めるものが違います。
同じ「2リットル」でも、
夏と冬では意味が変わってくる。
前の季節の過ごし方が、次の季節の身体をつくる
水を保つ食材、水を巡らせる食材
夏の食卓に、ネバネバしたものを
並べたことはありますか?
山芋、納豆、オクラ、つるむらさき。
これらのネバネバ成分は、
水を体内にとどめる力があります。
夏に気と水が蒸気のように抜けていくのを
防いでくれる食材です。
全部混ぜて、卵の黄身を乗せて、
ご飯と一緒に食べる。
シンプルですが、
水の保持と脳への栄養が同時にとれます。
さらに鮭やサバのような青魚を加えると、
血の巡りも一緒に助けてくれる。
冬は、温かい根菜の出番。
大根やにんじんを煮込んで、
身体の深部から温める。
冷たい水を一気に飲むと
脾に負担がかかります。
冬は温かいお湯やスープで
水分を摂るのが合っています。
とはいえ、食事だけで
水の巡りが完全に整うわけではありません。
食は「土台」。身体の使い方と合わせて
初めて循環が回り始めます。
深層を覚ます順番を、ご一緒に辿る
STEP 01 起こす
深層に届く呼吸を、ひとつ取り戻す
激しい運動の前に、横隔膜の動きを取り戻す。眠っていた深層筋に「これから動くよ」と合図を送る段階です。
STEP 02 ほどく
こわばっている関節を、小さく回す
大きく伸ばすのではなく、小さく回す。可動域を広げるのではなく、軸のズレを少しずつ整えていきます。
STEP 03 巡らせる
整えた身体を、自分のリズムで動かす
深層が起きて、関節がほどけたあとなら、ふだんの動きそのものが養生になります。順番を守ることが、いちばんの近道です。
起こす / ほどく / 巡らせる ── この順番が逆になると、せっかくの動きが届きません。
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概念図・PNFC独自の見立て
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