尿漏れ・骨盤

尿漏れは女性だけの悩みではない

KAZU@FURYU

尿漏れは女性だけの悩みではない

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この記事を書いた人

高田一壽

高田 一壽

たかだ かずひさ

役職
PNFCメソッド 開発者
株式会社ピーエヌエフシーテック 代表
臨床歴
30年以上
施術実績
月間200名以上
教育
療術学院・競輪学校等の講師も実施経験
指導実績
全国の障害者施設・高齢者施設・スポーツ団体
メディア
大手企業TVCM出演、各種スポーツ団体との契約指導

長年の現場経験から体系化されたPNFCは、「鍛える」のではなく 「本来の機能を取り戻す」 コンディショニング法として確立されました。

トイレのあと、下着が少しだけ濡れる

排尿が終わったはずなのに、少し残っている。
ズボンに戻した瞬間に、じわっと出てくる。


外出先のトイレで、少し長めに待つようになった。
「もう出きったかな」と確認する回数が増えた。


誰にも言えない。
相談する場所も、よくわからない。


「尿漏れなんて、自分には関係ない」と
思っていたのに。


でも、これは恥ずかしい話ではありません。
身体の構造として、男性にも普通に起きることです。


しかも、筋力が足りないから起きているわけでもない。
もっと手前に、見落とされている原因があります。



「骨盤底筋を鍛えれば治る」は、男性には当てはまらない

尿漏れの対策として、よく出てくるのが
「骨盤底筋を鍛えましょう」という話です。


でも、これは主に女性向けの情報として
広まったもの。

男性の場合、話がちょっと違います。


男性の身体は、内転筋(太ももの内側)が
硬くなりやすい構造を持っています。


デスクワークで股を閉じたまま何時間も座る。
運動していても、開脚は苦手な人が多い。


この内転筋が硬くなると、
骨盤底筋は正しい位置で働けなくなります。

土台がずれた状態で筋肉に力を入れても、
効果が出にくいのは当然ですよね。


順番が違うんです。

骨盤底筋に力を入れる前に、
内転筋の柔軟性を取り戻す。
その順番が先にあります。


内転筋が硬い
骨盤底筋がずれる
尿漏れ

…本当にこの順番だけ?



* * *

尿漏れと骨盤を、PNFCはこう見ている

第1層 表に現れている症状 尿漏れ / 頻尿 / 骨盤の不安定さ / 下半身の冷え / 産後の戻りにくさ — ここを揉んでも、しばらくすると戻ってくる この奥に 第2層 巡りと呼吸の停滞 血の流れが鈍る / 水の巡りが滞る / 呼吸が浅くなる / 自律神経の揺れ — 第1層の症状を作り出している、ひとつ手前の流れ さらに奥に 第3層 / 根 五臓の循環と季節のリズム 前の季節の過ごし方 / 五臓の連鎖 / 使われ方のズレ / 深層の眠り — ここに手がつくと、上の二層が一緒にほどけはじめる

「気にしなくてよくなる」という自由

内転筋と骨盤底筋の連携が戻ると、
身体の感触が変わります。


排尿のあと、下着を気にしなくなる。
外出先で「念のためトイレ」と確認しなくなる。


それだけではありません。


内転筋が柔らかくなると、腰が楽になります。
実は、内転筋が硬い男性は
腰痛を持っている確率が非常に高い。


尿漏れと腰痛が同時に楽になることがある。
別々の悩みに見えて、
根っこがつながっていたりします。


「気にしなくてよくなる」というのは、
小さいようで大きな変化です。
日常の自由が、静かに広がります。



FOR / この記事が向いている人

向いている方

  • 骨盤底筋体操を試してみたが、続かなかった男性
  • 誰にも相談できず、一人で抱えてきた
  • 尿漏れと同時に、腰のだるさ・内ももの張りも気になっている
  • 冬場に悪化する、足先の冷えがある
  • 年齢のせいではない見方があることを、構造から知りたい

今は別の道が合う方

  • 今のセルフケアで、気持ちよく整っている
  • 医療機関での治療を最優先に考えている
  • 短期間で結果を保証してほしい

PREVIEW / ここから先で扱うこと

  • 内転筋・恥骨筋・大内転筋が骨盤底とどうつながっているか、解剖の視点から
  • 腎陽(命門)と膀胱の表裏関係。お臍の真裏の温度が保持力に関わる理由
  • 冬になると悪化する構造的な理由と、日常の養生の組み立て
  • 黒い食材・ネバネバ食材、男性が摂りすぎている冷ます食材の話
  • ご自身の腎・膀胱ラインの状態を、内ももと足裏から読む方法

Q&A / 読みはじめる前に

Q. 骨盤底筋体操を続けても変わらなかった。この記事も同じではないですか?

骨盤底筋体操は「締める」動作が中心です。PNFCが重視するのは、骨盤底の上流にある内転筋と命門の整え方。同じ場所に届かない理由があるので、変化の感触も違います。

Q. 60代、70代から始めても変化は出るものでしょうか?

PNFCの臨床では、60代後半から始めて変化を実感された男性が複数います。身体の構造は年齢によって大きく変わりません。内転筋が応えれば、骨盤底も応えてくれます。ただし前立腺に医学的な疾患がある場合は、まず泌尿器科の診断を優先してください。

Q. 読んだあと、すぐに変化を感じられますか?

早い方は読んだその日のうちに、身体のどこかが軽くなるのを感じます。順番の通りに辿っていただければ、応えてくれる方が多いです。

ここから先に、もう一段深い話があります。

内転筋から腎までの、つながりの全体像

ご自身で、内ももをゆっくり押してみてください。
コリコリした筋の束が触れますか?


内転筋は、太ももの内側を走る筋肉群です。
足を閉じたり、骨盤を安定させたりするとき
静かに働いています。


デスクワークで股を閉じたまま何時間も座り続けると、
内転筋はゆっくりと硬直していきます。
テーブルの下で脚を閉じた姿勢を毎日繰り返せば、
内転筋は「そのまま固まってください」という指令を受け続けている状態です。


東洋医学では、この内転筋の走行に沿って
腎経膀胱経のラインが通っています。

内転筋の「筋分け」というポイントがあって、
そのいちばん柔らかいところが膀胱
そのすぐ裏側、ハムストリング寄りが腎臓


つまり、内転筋が硬くなると
膀胱と腎臓の両方に影響が出るんです。
内転筋を「尿漏れと関係ない」と思っていた方は、ここで見方が変わります。


会社の椅子に座ったまま午後を過ごしていると、
内転筋はどんどん使われなくなっていく。
男性は特に、股関節が開きにくい構造です。
「あぐらをかくと股関節がきつい」という方は、
ほぼ間違いなく内転筋が硬くなっています。


さらに下を見ると、足の裏にも話がつながります。

足の裏の「湧泉(ゆうせん)」という場所は
腎臓の入り口とされています。
足裏を押したとき、土踏まずの少し上あたりが
痛いくらい硬い方は、腎の循環が滞りやすい状態です。


足裏の硬さ → 内転筋の硬さ → 骨盤底筋のずれ → 膀胱の締まり低下。

全部が一本のラインでつながっています。


STEP 1
足裏の硬化(湧泉の滞り)
STEP 2
内転筋の硬直
STEP 3
骨盤底筋の位置ずれ
STEP 4
腎・膀胱の循環低下
排尿後の残尿感・尿漏れ


だから、骨盤底筋だけにアプローチしても
効果が出にくいんです。


靴を履くとき、いつも同じ足から履いていませんか?
片方の靴底だけ減りが早いなら、
骨盤のバランスがすでに崩れているサインです。


PNFCでは、このラインを一括でつなげて
アプローチすることを重視します。
内転筋、膀胱、腎を同時に流すことで
全体の連鎖にまとめて働きかける。


1個ずつバラバラにやると連鎖がかからない。
全部を一緒にやるから、身体が応えてくれる。
ここが一番大事なポイントだと思います。


PNFCの臨床でこのアプローチを始めた方の中に、
「朝、ズボンを戻した後のじわっとした感覚が、なくなりました」と
静かに言われた方がいます。
大きな変化ではなく、「気づいたらなくなっていた」という感覚。
それが、上流からアプローチが届いたときの変化の質感です。


足裏・内転筋・ハムストリングの同時アプローチは、
ご自分の身体の地図を描き直すような作業です。
ひとつひとつバラバラに見えていたものが、
一本の川のようにつながってくる。
その「つながった感覚」が出てきたとき、
ご自身の身体への信用が少し戻ってきます。



* * *

骨盤底の悪循環

骨盤底がゆるむ

動きが慎重になる

さらにゆるむ

内臓が下垂

↻ どこか一点を変えると、ループ全体がほどけはじめます。

腰痛も、冷えも、同じ根っこから出ている

朝起きたとき、腰がこわばっている。
長時間座っていると、鈍い痛みが出る。
そのまま夕方まで引きずる日が増えた。


実は、内転筋が硬い男性は
腰痛を持っている割合がとても高い。

腎・膀胱ラインの滞りは、
腰だけでなく、身体のあちこちに波及します。


ROOT CAUSE
腎の循環低下
膀胱の締まり低下 排尿後の漏れ
骨盤周辺の血流低下 慢性腰痛
足裏・下半身の冷え 末端冷え
骨の代謝低下 歯や骨の弱り
耳への影響 耳鳴り・聴力低下


尿漏れ、腰痛、冷え、耳鳴り。
バラバラの症状に見えますよね。

でも東洋医学では、これらは全部
「腎」という一つの臓器系の不調として
つながっています。


整骨院で「運動してますか?」と聞かれて、
黙ったことがある人は多いと思います。

でも運動不足だけが原因ではありません。
内転筋が硬くなっている構造そのものが
複数の不調を同時に生んでいる。


だから、腎の循環が整うと
尿漏れだけでなく腰痛も楽になる、
ということが起きます。


PNFCの臨床では、内転筋がカチカチに硬い男性で
腰痛を持っていない方を、ほとんど見たことがありません。
尿漏れと腰痛とが、同じ診察の中で一緒に出てくる。
これは偶然ではなく、同じ根っこから出ているからです。


腎の循環が戻ってくると、
朝起きたときの腰のこわばりが静かに薄れていく。
長時間座っていても、鈍い痛みが以前ほど出なくなる。
冬場の足先の冷えが、少し遠くなる。


複数の不調が「一つの流れ」としてつながっていた。
それが分かるだけで、ご自身の身体への見方が変わります。
ご自分の不調を、もう一度構造から眺め直してみてください。



冬になると悪化するのは、偶然ではない

「冬になると、なんとなく調子が悪い」

トイレが近くなる。
腰が重い。
朝、布団から出るのがつらい。


東洋医学の五行では、
冬は「水」の季節とされています。
そして水に対応する臓器が、腎と膀胱。


冬は腎が最も消耗しやすい時期です。
腎が冷えに弱いのは、偶然ではありません。


五行と季節の対応
季節 五行 感情
晩夏


腎が冷えに弱い。
冬は気温が下がる。
当然、冬は腎にとって最も過酷な季節です。


腎の中には「腎陽(じんよう)」という
身体の深部を温める力があります。
この腎陽が消耗すると、
膀胱の締める機能も一緒に落ちてくる。


窓を開けたら、指先がすぐにかじかむ。
そんな日が続くと、腎陽は少しずつ
削られていきます。


だから「冬だけ尿漏れが気になる」という人は、
腎陽の消耗が始まっている可能性があります。
寒さが直接の原因ではなく、
腎の消耗が背景にある。


逆に言えば、冬に腎を守る養生ができると
春の立ち上がりがまったく変わります。


腎は「蓄える蔵」です。
冬に蓄えた分が、春の身体の活力になる。
タイマー式の暖房器具に例えると、
冬の間に燃料を蓄えておかないと
春になっても暖かくなれないのと同じ構造です。


「冬だけ我慢すれば春には戻る」は、
腎陽が十分に蓄えられているときの話。
毎年冬に消耗が増えていく方は、
蓄えの底が浅くなっていっています。
ご自分でそのパターンに心当たりがある方は、
今年の冬から少し意識してみてください。



* * *

前の季節の過ごし方が、次の季節の身体をつくる

春 木 / 肝 芽吹き・巡り 夏 火 / 心 発散・喜び 晩夏 土 / 脾 受け入れ・消化 秋 金 / 肺 手放し・潤い 冬 水 / 腎 蓄え・休息 めぐる順序 春の肝が動き 夏の心へ送られる 晩夏の脾が受けとめ 秋の肺が手放し 冬の腎に蓄えられる 陰陽五行の相生図 / 風流PNFC 作図

食卓でできること

「腎を守る」と言われても、
何から始めればいいかわからないですよね。


いちばん手軽なのは、食事です。

五行で「水」に対応する色は黒。
黒い食材は、腎のエネルギーを
補うとされています。


黒豆、黒ごま、黒米、ひじき。
毎日のご飯に混ぜるだけでいい。


スーパーで黒ごまを手に取ったことがなかったら、
一度試してみてください。
白米に混ぜるだけで、見た目も変わります。


もうひとつ大事なのが、ネバネバ系の食材。
山芋、納豆、オクラ、つるむらさき。

これらは水を体内にとどめる力があります。
夏場に気が抜けて水分も一緒に失われるのを
防いでくれる食材です。


あと、カルシウムも腎と深い関係があります。
煮干しをそのまま食べる。
おにぎりと煮干しとみかん。
シンプルですが、腎にはこういう食事が合う。


とはいえ、食事だけで
全てが解決するわけではありません。
食は「土台を支える」役割です。

その上に、身体の使い方を整えていく。
両方が合わさって初めて、
腎の循環が回り始めます。


ご自身の毎日の食卓を少しだけ変える。
朝の白湯、夕食に黒ごまを加える。
大きな努力ではなく、「今日から一つ」でいい。
腎は積み上げる臓器ですから、
小さな積み重ねが必ず届きます。



* * *

深層を覚ます順番を、ご一緒に辿る

STEP 01 起こす

深層に届く呼吸を、ひとつ取り戻す

激しい運動の前に、横隔膜の動きを取り戻す。眠っていた深層筋に「これから動くよ」と合図を送る段階です。

STEP 02 ほどく

こわばっている関節を、小さく回す

大きく伸ばすのではなく、小さく回す。可動域を広げるのではなく、軸のズレを少しずつ整えていきます。

STEP 03 巡らせる

整えた身体を、自分のリズムで動かす

深層が起きて、関節がほどけたあとなら、ふだんの動きそのものが養生になります。順番を守ることが、いちばんの近道です。

起こす / ほどく / 巡らせる ── この順番が逆になると、せっかくの動きが届きません。

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概念図・PNFC独自の見立て

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高田一壽
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PNFC TEC JAPAN 会長
30年以上にわたり、月200名を超える人々の身体と向き合ってきた、日本でも稀有なコンディショニングのスペシャリストである。 東京療術学院で講師として専門家育成に携わり、全国の障害者施設・高齢者施設・スポーツ団体での指導を通じて、幅広い臨床経験を培ってきた。 大手企業のTVCM出演、各種スポーツ団体との契約指導、全国から寄せられる多数のセミナー依頼など、多方面で活動実績を積み重ねている。 その長年の現場経験から体系化されたPNFCは、運動能力の改善と身体の再構築を可能にするメソッドとして確立され、現在も全国からの依頼が絶えることはない。
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