秋のストレッチは呼吸と連動させる
この記事を書いた人
高田 一壽
たかだ かずひさ
- 役職
- PNFCメソッド 開発者
株式会社ピーエヌエフシーテック 代表 - 臨床歴
- 30年以上
- 施術実績
- 月間200名以上
- 教育
- 療術学院・競輪学校等の講師も実施経験
- 指導実績
- 全国の障害者施設・高齢者施設・スポーツ団体
- メディア
- 大手企業TVCM出演、各種スポーツ団体との契約指導
長年の現場経験から体系化されたPNFCは、「鍛える」のではなく 「本来の機能を取り戻す」 コンディショニング法として確立されました。
秋になると、身体が縮んでいく
毎年この季節になると、同じことが始まる
朝、布団から出た瞬間、空気がひんやりしている。
昨日まで半袖で過ごせたのに。
肩が上がる。背中が丸まる。
気がつくと胸が閉じている。
意識して姿勢を正しても、10分もすればまた縮んでいる。
呼吸も浅くなっている気がする…
肌がカサカサしてきた。
便秘がちになってきた。
咳が出やすくなった。
毎年秋になるとこれらが一斉に始まる。
こんな朝が毎年繰り返してきた方に、今日は少し別の話をしたいんです。
「季節の変わり目だから仕方ない」と、どこかで諦めてきた方も多いんです。
ストレッチを続けてきた。
スキンケアを変えた。
便秘薬を買い足した。
それでも毎年、秋になると同じ連鎖が戻ってくる…
なぜ頑張っても、表面には届いても、根っこが変わらないのか。
変わらないのは、ご自分の努力が足りないからではありません。
入口が違っていたんです。
入口が間違っていれば、どれだけ丁寧に対処しても、出口は変わりません。
それを知らなかったのは、仕方のないことです。
PNFCの臨床現場で月間200名以上の方を見てきた中で、一つ気づいたことがあります。
これらが一斉に出るのは、偶然ではない。
全部が、同じ一点から始まっています。
深層を覚ます順番を、ご一緒に辿る
STEP 01 起こす
深層に届く呼吸を、ひとつ取り戻す
激しい運動の前に、横隔膜の動きを取り戻す。眠っていた深層筋に「これから動くよ」と合図を送る段階です。
STEP 02 ほどく
こわばっている関節を、小さく回す
大きく伸ばすのではなく、小さく回す。可動域を広げるのではなく、軸のズレを少しずつ整えていきます。
STEP 03 巡らせる
整えた身体を、自分のリズムで動かす
深層が起きて、関節がほどけたあとなら、ふだんの動きそのものが養生になります。順番を守ることが、いちばんの近道です。
起こす / ほどく / 巡らせる ── この順番が逆になると、せっかくの動きが届きません。
秋のストレッチは「伸ばす」より「呼吸と連動させる」
「縮む」という症状は、出口ではなく入口です
身体が縮むと、伸ばしたくなる。
これは自然な感覚です。
でも、縮んでいる身体を伸ばすだけでは、秋の不調は変わりません。
伸ばしても、また縮んでいく。
そのサイクルを、何年も繰り返してきた方が多いんです。
PNFCにはここで独自の見立てがあります。
秋の身体が縮むのは「筋肉が固いから」ではない。
「伸ばす」アプローチで対処してきたのは、症状の表面を触っていたに過ぎないんです。
折れたホースのように、伸ばすだけでは肺には届かないんです。
PNFCが30年以上の現場で見てきた事実は一つ。
秋の縮みの出発点は、肺が乾燥して気が巡らなくなることにあります。
秋は金の季節。
金に対応する臓器は肺です。
肺は呼吸を通じて気を全身に巡らせる臓器。
気が巡らなくなると、身体全体が縮む方向に動く。
肺が一番嫌うのは「乾燥」です。
肺が一番好むのは「潤い」です。
秋に身体が縮むのは、肺が乾燥に反応して気が巡らなくなっているから。
そこに「伸ばす」だけの動きをかけても、筋肉は一時的に緩んでも、肺は助けられていません。
入口が違うんです。
呼吸と連動させること。
胸郭を開きながら肺を動かすこと。
それが秋のストレッチの、本当の入口です。
この視点に立った瞬間、秋の不調の見え方が変わります。
これは全部、同じ一点から出ています…
ご自分だけで「呼吸と連動したストレッチ」を完成させるのは、かなり難しい
ここで少し立ち止まっていただきたいのです。
「呼吸と連動させる」というのは言葉にすると簡単に聞こえます。
でも、実際にご自分でやろうとすると、胸郭が開いているかどうかが分からない。
横隔膜が本当に使えているかどうかが分からない。
ご自分の脇腹に手を当てて深呼吸してみてください。
脇腹が左右に膨らむように動いていますか。
お腹だけ前に出て、脇腹が動いていない方は、横隔膜が縦方向にしか使えていない状態です。
猫背のまま深呼吸しても、胸郭が潰れていて肺の膨らむ空間がない。
肩甲骨を動かすには、どの順番でアプローチするかがある。
胸椎(T1〜T12)を動かす前に、何を先に緩めるかがある。
この「何を先に」がずれていると、どれだけ動いても肺には届かないんです。
これらの条件が同時に揃わないと、呼吸と連動したストレッチにはなりません。
ひとつ欠けると、動きが表面で止まって、肺には届かない。
ご自分だけでこの順番を組み立てるのは、けっこう心細い作業なんです。
これを知らずに「伸ばすストレッチ」を続けてきたのは、ご自分のせいではありません。
正しいやり方を教わる機会がなかっただけです。
その順番と条件が分かれば、ご自身の身体は応えてくれます。
踏み込んだ言い方ですが、承知の上で言わせてください。
「毎年同じことが起きるのは季節のせいだ」と思い続けることは、ある意味で入口を閉じたままにしておく選択です。
そう言われると少し強いと感じる方がいても、ここを曖昧にするのは、かえってご自身に対して不誠実だと思うんです。
もちろん全員に同じ速度を約束するものではない。個人差は必ずあります。
ただ、現場で繰り返し確認してきた事実として、入口が変わると、出口は変わります。
呼吸連動ストレッチに必要な3条件
① 胸椎(T1〜T12)の可動域が確保されていること
② 横隔膜が縦だけでなく横方向にも広がっていること
③ 動きの順番(緩める→回旋→呼吸)が正しいこと
つながる不調を、PNFCはこう見ている
胸郭が開くと、秋の身体が一変する
入口が変わると、出口も変わります
胸郭を呼吸と連動させて動かし始めた方は、身体の変化に気づきます。
朝目覚めたとき、胸の前がふわっと軽い。
布団から出ても、肩が縮まない朝が来ます。
肩甲骨の間が、前の夜より少しゆるんでいる感触がある。
布団の中で深呼吸したとき、脇腹が左右にふわっと広がる感覚がある。
「あれ、空気が入ってきた」と感じる…そういう朝が来ます。
午後、デスクに座ったまま背筋を伸ばしたとき、以前より胸の前面が広くなった感じがある。
呼吸のたびに、肋骨が上下だけでなく横にも動いている。
「呼吸って、こんなに広がるものだったのか」と初めて気づく感覚です。
夜、お風呂から上がって鏡を見たとき、肌がいつもより少し明るい…
気のせいかもと思いながら、翌朝のお通じが来た朝。
身体は確かに応えています。
PNFCの現場で胸椎(T1〜T12)を丁寧に動かした後に腰を回してもらうと、するりと滑らかに動く感覚を感じた方が多いんです。
「ストレッチでなぜ便秘が変わるの」と不思議に思う方もいますが、
胸郭の回旋が肺と大腸を同時に目覚めさせているからなんです。
肌のカサカサ。便秘。咳。
秋の不調が全部ひとつの線でつながっている。
そのつながりが見えると、何をどこから動かせばいいかが分かります。
PNFCが独自に見立てている視点があります。
秋の乾燥が肺を直撃し、気の生成が落ちて、水の巡りが止まる。
その水が届かなくなった大腸が乾燥する。だから便秘が起きる。肌荒れが起きる。
スキンケアを変えても便秘薬を増やしても変わらない方は、入口の問題が見えていないことが多いんです。
この見立てから入ると、複数の症状が一度に動きはじめます。
FOR / この記事が向いている人
向いている方
- ✓ばらばらに見える複数の不調が、内側でつながっている感覚がある
- ✓ひとつ整えてもまた別の場所が出る、を繰り返している
- ✓個別対症ではなく、全体像を知りたい
- ✓複数の症状を同時に動かしたい
- ✓自分の身体の地図を持ちたい
今は別の道が合う方
- —ひとつの症状だけで、ご自分の身体を捉えていらっしゃる
- —部位別の対処法を探している
- —短期完結型の答えだけを求めている
PREVIEW / ここから先で扱うこと
- ●上流の不調が下流へ波及する、三段階の連鎖構造
- ●複数の症状を同時に動かす、ひとつの整え方
- ●「整えても戻ってくる」連鎖を断つ順番
- ●ばらばらに見えていた不調が、一本につながって見える瞬間
- ●自分の不調のつながりを、自分で読めるようになる
Q&A / 読みはじめる前に
Q. 運動が苦手でも、続けられますか?
続けられます。鍛えることが前提ではなく、本来の動きを思い出すことが前提です。激しい運動は出てきません。日常の合間に取り入れられる範囲で組まれています。
Q. もう年齢的に、今から変わることができますか?
身体は何歳からでも応えてくれます。30年以上の現場で、いちばん早く変化に気づくのは、むしろ長く諦めてきた方々でした。年齢は理由になりません。
Q. 読んだあと、すぐに変化を感じられますか?
早い方は読んだその日のうちに、身体のどこかが軽くなるのを感じます。順番の通りに辿っていただければ、応えてくれる方が多いです。
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概念図・PNFC独自の見立て
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