季節養生

春の食卓に「酸味」が必要な理由

KAZU@FURYU
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この記事を書いた人

高田一壽

高田 一壽

たかだ かずひさ

役職
PNFCメソッド 開発者
株式会社ピーエヌエフシーテック 代表
臨床歴
30年以上
施術実績
月間200名以上
教育
療術学院・競輪学校等の講師も実施経験
指導実績
全国の障害者施設・高齢者施設・スポーツ団体
メディア
大手企業TVCM出演、各種スポーツ団体との契約指導

長年の現場経験から体系化されたPNFCは、「鍛える」のではなく 「本来の機能を取り戻す」 コンディショニング法として確立されました。

春になると、甘いものが止められない

チョコレートに手が伸びる。ケーキが目に入ると、つい買ってしまう。


冬はそこまでじゃなかったのに、春になると甘いものへの欲求が急に強くなる。


食後にもう一口。夕方の疲れに、もう一個。頭ではわかっているのに、身体が求めてしまう。


「意志が弱いだけだ」「ストレスで食べてしまう」。そう感じている方は、少なくありません。


でも、この「甘いもの欲しい」には、季節の側からの理由があります。意志の問題ではなく、身体が出しているサインです。




甘いものを欲しがるのは、肝が疲れているから

東洋医学の五行では、春は「木」の季節。木=春=肝。


春になると、肝の気が上昇します。冬の間に蓄えたエネルギーを全身に巡らせようとする。


この動きの中で、脳がたくさんのエネルギーを使います。頭がぼんやりする。イライラする。脳がエネルギー不足を感じると、甘いものを求めます。


しかし、甘いものを与えすぎると、今度は腎の働きに影響が出ます。腎が弱ると、血の巡りが滞る。巡りが滞ると、余計に疲れやすくなる。


甘いもので一時的に楽になっても、身体の巡りは悪くなる。この繰り返しが、春の不調を長引かせます。


脳のエネルギー不足
甘いものを食べる
腎が弱る → さらに疲れる

…身体が本当に求めているのは?



* * *

季節の不調を、PNFCはこう見ている

第1層

表に現れている症状

季節の変わり目の不調 / だるさ / 風邪をひきやすい / 気分の波 / 古傷の疼き

— ここを揉んでも、しばらくすると戻ってくる

この奥に

第2層

巡りと呼吸の停滞

血の流れが鈍る / 水の巡りが滞る / 呼吸が浅くなる / 自律神経の揺れ

— 第1層の症状を作り出している、ひとつ手前の流れ

さらに奥に

第3層 / 根

五臓の循環と季節のリズム

前の季節の過ごし方 / 五臓の連鎖 / 使われ方のズレ / 深層の眠り

— ここに手がつくと、上の二層が一緒にほどけはじめる

五味と五臓。食卓が身体を動かしている

東洋医学には「五味」という考え方があります。


酸味、苦味、甘味、辛味、鹹味。この五つの味が、それぞれの臓器と結びついている。


酸味は肝に対応しています。春に肝の気を助けるのが、酸味の役割です。


甘味は脾に対応しています。甘味を摂りすぎると、脾が過剰に働き、腎にも影響が及ぶ。五行の「剋」の関係です。


つまり、春に甘いものを食べすぎると、肝を助けるどころか、腎を弱らせてしまう。腎が弱ると、肝への引き継ぎがうまくいかなくなる。


食卓の一品が、五臓のバランスに連鎖している。これが五行の食養生の本質です。


では、春の食卓をどう整えていくか。「酸味を増やせばいい」と聞いて梅干しを増やしてみた。それだけでは、なぜか身体が応えてこない。PNFCの現場でも、同じ声を何度も聞いてきました。


それには理由があります。腎の冷えが深い方は、酸味を増やしても身体が応えてこないことがある。酸味より先に整えるべき順序がある。その順序が見えていないまま「春だから酸味」と動いても、空回りしてしまうんです。


ご自身だけで順序を組み立てるのは、かなり難しい

春の食養生を自分でやろうとすると、三つのことを同時に揃えなければなりません。


一つ目は、今の腎の状態を正確に読むこと。腎が冷えているか、疲弊しているか、それとも余力があるか。この見立てが先に来ないと、何を整えても素通りしてしまう。


二つ目は、五臓の連鎖の中でどこが起点になっているかを特定すること。肝から来ているのか、腎から来ているのか、それとも冬の過ごし方から引きずっているのか。連鎖の出発点が違えば、整え方も変わります。


三つ目は、その二つを踏まえた上で、春に合わせた食材と食べ方を選ぶこと。セロリ・菊芋・昆布・梅・酢。それぞれに働きがあります。ただし、「これを食べれば春は万全」というものは存在しない。ご自身の身体の状態を読んでから、食材を選ぶ順番です。


この三つを同時に揃えることが、構造的にかなり難しいんです。それぞれは単純に見えますが、「腎の状態を読む目」「五臓の連鎖を追う見立て」「季節に合った食材の選び方」。この三つが一本につながって初めて、食卓が身体に届いてきます。


PNFCの現場では長年、この三つのつながりを一本で見てきました。「酸味だけ増やして変化なし」という方が、順序を変えた途端に身体が応えてくる。その転換点を、何度も見てきています。



春の朝が、変わっていく

順序が整ってくると、身体に具体的な変化が出てきます。


朝、目が覚めた瞬間に頭だけ冴えて足先がスポンジのようにふわっとしている、あの感覚が薄くなっていきます。手のひらをお腹に当てると、少し奥から温かさが返ってくる。その小さな変化が、最初のサインです。


午後のデスクで、引き出しに手が伸びなくなっていく。甘いものを欲しがっていた身体が、落ち着いてくる。「今日はあまり欲しくないな」と気づいた瞬間に、何かが変わりはじめたことを実感できます。脳がエネルギーを求めて叫んでいた状態から、静かに落ち着いた状態へ。これが、食養生が身体に届きはじめたサインです。


PNFCの現場では、この変化を「血が頭から足元に戻ってくる感じ」と表現する方が多いんです。春霞の中にいた気持ちに、少しずつ底からの力が戻ってくる。外に出たくなる。人に会いたくなる。それは季節に身体がついていけるようになった、ということです。



FOR / この記事が向いている人

向いている方

  • 毎年同じ季節に、同じ不調が出る繰り返しに気づいている
  • 季節の変わり目に身体が崩れやすい
  • 一年のリズムで、身体を整えたい
  • 民間療法ではなく、原理を知って実践したい
  • 五行や東洋医学の知恵を、現代の生活に活かしたい

今は別の道が合う方

  • 季節の変わり目を、すでに穏やかに過ごせている
  • 季節とは無関係の症状に集中したい
  • 短期決着型の対処を求めている

PREVIEW / ここから先で扱うこと

  • 前の季節の過ごし方が、今の不調を作っている五行の構造
  • 季節ごとに優先順位が変わる、五臓の整え方
  • 季節の変わり目に出やすい不調と、その手前の養生
  • 一年のリズムで身体を整える、養生の年間カレンダー
  • 自分の季節リズムを、五臓の声から自分で読めるようになる

Q&A / 読みはじめる前に

Q. 運動が苦手でも、続けられますか?

続けられます。鍛えることが前提ではなく、本来の動きを思い出すことが前提です。激しい運動は出てきません。日常の合間に取り入れられる範囲で組まれています。

Q. もう年齢的に、間に合うのか不安です。

身体は何歳からでも応えてくれます。30年以上の現場で、いちばん早く変化に気づくのは、むしろ長く諦めてきた方々でした。年齢は理由になりません。

Q. 読んだあと、すぐに変化を感じられますか?

早い方は読んだその日のうちに、身体のどこかが軽くなるのを感じます。順番の通りに辿っていただければ、応えてくれる方が多いです。

ここから先に、もう一段深い話があります。

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概念図・PNFC独自の見立て

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ABOUT ME
高田一壽
高田一壽
PNFC TEC JAPAN 会長
30年以上にわたり、月200名を超える人々の身体と向き合ってきた、日本でも稀有なコンディショニングのスペシャリストである。 東京療術学院で講師として専門家育成に携わり、全国の障害者施設・高齢者施設・スポーツ団体での指導を通じて、幅広い臨床経験を培ってきた。 大手企業のTVCM出演、各種スポーツ団体との契約指導、全国から寄せられる多数のセミナー依頼など、多方面で活動実績を積み重ねている。 その長年の現場経験から体系化されたPNFCは、運動能力の改善と身体の再構築を可能にするメソッドとして確立され、現在も全国からの依頼が絶えることはない。
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