水を飲みすぎていませんか
この記事を書いた人
高田 一壽
たかだ かずひさ
- 役職
- PNFCメソッド 開発者
株式会社ピーエヌエフシーテック 代表 - 臨床歴
- 30年以上
- 施術実績
- 月間200名以上
- 教育
- 療術学院・競輪学校等の講師も実施経験
- 指導実績
- 全国の障害者施設・高齢者施設・スポーツ団体
- メディア
- 大手企業TVCM出演、各種スポーツ団体との契約指導
長年の現場経験から体系化されたPNFCは、「鍛える」のではなく 「本来の機能を取り戻す」 コンディショニング法として確立されました。
たくさん飲んでいるのに、調子がよくない
水をたくさん飲む。それが健康にいいと言われている。
一日2リットル。ペットボトルを持ち歩いて、こまめに口にする。
けれど、飲んでいるのに身体がだるい。足がむくむ。頭が重い。
夕方、靴がきつくなる。朝は大丈夫だったのに。
夕方になって靴を脱いだ瞬間に、足の甲に靴紐の跡がくっきり残っている。あれを見るたびに、何かがうまくいっていないと感じます。指輪が夕方には外れなくなる。朝は何ともなかったのに、午後になると指がむくんで、してゴールドのリングが食い込む感じがする。
午後3時。デスクに向かっていると、頭の後ろが重くなってくる。肩が固まって、文字が頭に入ってこない。ひどい時は目の奥が鈍く痛む。コーヒーを飲んでも収まらない、あの感覚です。
朝、靴下を履くと、昨日の跡がまだうっすら残っている。30分たっても消えない。そういう日が続いています。
むくみに気づいたのは、ある日の朝でした。起き上がって鏡を見ると、顔が昨晩よりもぼんやり大きく見える。目の下がはれぼったい。夜のうちに、身体の水が動いていなかったということです。寝ている間は動かないから、水が下に溜まるのだと思いがちですが、実際は逆です。健康に水が巡っているとき、夜の間に水は全身をゆっくり動き、朝には老廃物が排出されてすっきりした顔になっているはずなんですね。
初夏の不調として「なんとなくだるい」「やる気が出ない」と感じる方は多いですが、その多くは水の巡りが落ちているサインです。PNFCの臨床で月間200名以上の方に触れてきて、この季節にむくみと頭の重さを同時に訴える方は、ほぼ例外なく水の出口が詰まっている状態にあります。飲む量の問題ではなかったんですね。
問題は「飲む量」ではなく、「出す力」の側にあります。
飲む量ではなく、巡らせる力の問題
「一日2リットル飲みなさい」という話、聞いたことがあると思います。それ自体は間違っていません。身体に水分が必要なのは確かです。
ただ、PNFCの臨床で気づいたことがあります。「飲む量を律儀に守っている方ほど、顔がむくみやすい」という傾向です。これは少し言い切りすぎです。でも、出す力を見ないまま飲む量だけを増やす方が、よほど不誠実だと感じています。
水は飲めばいい、というものではありません。
飲んだ水を全身に届け、不要なものを排出する。その「巡らせる力」がなければ、水はただ身体に溜まるだけです。むくみは水のせいではなく、出口の硬さの問題です。
東洋の身体観では、水の巡りを司るのは腎です。
腎の働きが弱ると、水が滞る。足がむくみ、頭が重くなり、腰がだるくなる。
田んぼに水が張られる時期。身体の中でも同じことが起きています。立夏のころが、まさにその時期です。
田んぼの話をするとイメージしやすいのですが、田んぼに水が溜まって困るのは「水が多すぎるから」ではなく、「水の出口が詰まっているから」です。出口が開いていれば、どれだけ水を張っても適切なところで排出される。水のむくみは「水の問題」ではなく、「腎の出口の問題」なんです。この視点に立つと、飲む量を増やしても減らしても、出口が変わらなければ身体の状態は変わりません。
…溜まった水は、どこへ行く?
季節の不調を、PNFCはこう見ている
第1層
表に現れている症状
季節の変わり目の不調 / だるさ / 風邪をひきやすい / 気分の波 / 古傷の疼き
— ここを揉んでも、しばらくすると戻ってくる
第2層
巡りと呼吸の停滞
血の流れが鈍る / 水の巡りが滞る / 呼吸が浅くなる / 自律神経の揺れ
— 第1層の症状を作り出している、ひとつ手前の流れ
第3層 / 根
五臓の循環と季節のリズム
前の季節の過ごし方 / 五臓の連鎖 / 使われ方のズレ / 深層の眠り
— ここに手がつくと、上の二層が一緒にほどけはじめる
水の流れが滞ると、頭にも影響が出る
水の滞りは、足だけの問題ではありません。
水が巡らなくなると、脳にも影響が出てきます。頭が重い。偏頭痛がある。なんだかやる気が出ない。
デスクに向かっても、文字が頭に入ってこない。午後になると、もう集中力が持たない。
そして水の巡りは、肝臓の働きとも連動しています。肝臓が疲れていると、門脈を通じた血の戻りが悪くなる。血が戻らなければ、水も動かなくなる。
水、血、肝臓。この三つの関係が、初夏の身体を理解する鍵になります。
東洋医学の言葉では、腎は「水」を司り、肝は「血」を貯える。この二つが連動して動くことで、身体の内側の水と血は正しく巡ります。立夏から梅雨にかけての時期は、外の湿気が一段上がり、身体の内側でも水の処理が追いつかなくなりやすい。毎年この季節にだけ頭が重くなる、という繰り返しは偶然ではなく、水と腎の問題から来ています。
FOR / この記事が向いている人
向いている方
- ✓毎年同じ季節に、同じ不調が出る繰り返しに気づいている
- ✓季節の変わり目に身体が崩れやすい
- ✓一年のリズムで、身体を整えたい
- ✓民間療法ではなく、原理を知って実践したい
- ✓五行や東洋医学の知恵を、現代の生活に活かしたい
今は別の道が合う方
- —季節の変わり目を、すでに穏やかに過ごせている
- —季節とは無関係の症状に集中したい
- —短期決着型の対処を求めている
PREVIEW / ここから先で扱うこと
- ●前の季節の過ごし方が、今の不調を作っている五行の構造
- ●季節ごとに優先順位が変わる、五臓の整え方
- ●季節の変わり目に出やすい不調と、その手前の養生
- ●一年のリズムで身体を整える、養生の年間カレンダー
- ●自分の季節リズムを、五臓の声から自分で読めるようになる
Q&A / 読みはじめる前に
Q. 運動が苦手でも、続けられますか?
続けられます。鍛えることが前提ではなく、本来の動きを思い出すことが前提です。激しい運動は出てきません。日常の合間に取り入れられる範囲で組まれています。
Q. 年齢的に、もう間に合わないのではと不安です。
身体は何歳からでも応えてくれます。30年以上の現場で、いちばん早く変化を感じるのは、長く諦めてきた方が多いです。「巡らせる力」は取り戻せます。年齢は出発点であって、壁ではありません。
Q. 読んだあと、すぐに変化を感じられますか?
早い方は読んだその日のうちに、身体のどこかが軽くなるのを感じます。順番の通りに辿っていただければ、応えてくれる方が多いです。
ここから先に、もう一段深い話があります。
この続きは有料パート
概念図・PNFC独自の見立て
~ この続きをみるには ~
