夏前に胃腸を整える理由
この記事を書いた人
高田 一壽
たかだ かずひさ
- 役職
- PNFCメソッド 開発者
株式会社ピーエヌエフシーテック 代表 - 臨床歴
- 30年以上
- 施術実績
- 月間200名以上
- 教育
- 療術学院・競輪学校等の講師も実施経験
- 指導実績
- 全国の障害者施設・高齢者施設・スポーツ団体
- メディア
- 大手企業TVCM出演、各種スポーツ団体との契約指導
長年の現場経験から体系化されたPNFCは、「鍛える」のではなく 「本来の機能を取り戻す」 コンディショニング法として確立されました。
毎年同じ夏が、また来る
毎年繰り返す夏の不調に、心当たりがある方へ
朝7時、起き上がろうとすると身体が重い…
前の晩はちゃんと眠れたはずなのに、布団の中で「また今日もだるい」と感じている。
台所に立っても、何も作る気が起きない。
冷蔵庫を開けても、手が止まる。
そうめん、アイス、冷たいお茶。
暑いから仕方ない、と思っている…
夏の終わりになると、身体がどっと重くなる。
秋になっても、その疲れが抜けない。
去年もそうだった。おととしもそうだった。毎年同じ不調が連鎖して来る…
頑張って食欲を持たせようとしても、また崩れていく。
「暑さに弱い体質なんだろう」と諦めてきた方に、知っておいてほしいことがあります。
PNFCの臨床現場では、月間200名以上の施術のなかで、夏前に崩れる方の共通パターンをずっと見てきました。
その方々のほぼ全員に、「6月にすでに兆候がある」という事実があります。
毎年同じパターンが来るのは、体質ではなく、6月の脾胃の状態が繰り返されているからです。
夏バテの原因は「暑さ」ではなく、夏前の胃腸にある
夏バテは夏に起きるのではない
多くの人は、夏バテの原因を「暑さ」だと考えます。
でも東洋の身体観では、夏バテは夏に始まるのではありません。夏の前に、もう始まっています。
これは以前から感じていたことです。「以前は、夏バテを暑さのせいだと見ていました。今は、6月の脾胃の状態を見ます。」
現場で繰り返し確認してきた、PNFCの原則です。
梅雨の湿気で脾胃(ひい)が弱り、消化力が落ちた状態で夏を迎えてしまう。
そこに冷たい飲食が加わると、お腹はさらに冷え、小腸の働きが鈍る…
冷たいポットのような胃袋に食べ物が入ってくる。
温かいものを入れても、底が冷えたままでは温まらない。
これが梅雨どきの脾胃の状態です。
お腹が冷えて小腸に血が集まらなくなると、栄養の吸収が滞ります。
脳に血が届きにくくなり、頭が重い、やる気が出ない。
夏バテは暑さの問題ではなく、夏前の胃腸の状態の問題です。
PNFCの臨床現場では、夏に崩れる方の多くが、6月にはもう兆候を持っています。
梅雨に脾を止めた人ほど、8月後半に大きく崩れる。
それを繰り返し見てきたことで、言い切ります。夏バテは6月の問題です。
夏前に3つの条件が揃わない理由
では、夏前に脾胃を整えるためには何が必要か。
次の3つの条件が、同時に揃わなければ動きません。
①夏に入る前の準備期(芒種〜夏至)を意識する
6月のうちに脾に手をつけていること。
夏が来てから始めるのでは、もう一サイクル遅れます。
②冷たいものの習慣を止める
冷たい飲み物・食事が続く間は、脾はいつまでも冷えたままです。
食養だけで整えようとしても、冷たいものが入り続ければ全部が打ち消されます。
③背骨の動きを取り戻す
背骨が硬いままでは、横隔膜は動かず、自律神経も整いません。
動きがなければ、食養の効果も届きにくい…
この3つを同時に揃えることが、構造的にかなり難しいです。
タイミングを見誤れば食養が活きない。食養なしで動きだけ整えても脾は冷えたまま。冷たいものを止めなければ全部が打ち消される。
3つが順番通りに、しかも同じ時期に動いていることが必要です。
ご自分だけでこの3つを揃えようとすると、心細い作業です。
どこから始めていいか分からない、という状態で毎年夏を迎えてしまう方が多いんですね…
…胃腸だけの問題?
季節の不調を、PNFCはこう見ている
胃腸と呼吸は、深いところでつながっている
変化は、朝7時から始まる
脾胃が整ってくると、朝7時に布団の中で身体が軽くなっているのに気がつきます。
みぞおちの奥が、静かに温かい。
起き上がろうとする気持ちが、前よりすんなり出てくる。
PNFCの臨床現場で「夏前に整えた」方の多くが、最初に感じる変化は「朝の重さが変わった」という感覚です。
8月になっても、去年のように身体がどっと崩れる感じがなかったという声も、毎年聞きます。
その変化は連鎖して出てくる。食欲が戻り、手足が軽くなり、秋に疲れが持ち越されなくなる…
胃腸の問題を食べ物だけで解決しようとすると、限界があります。
なぜなら、胃腸が動くためには酸素が必要だからです。
呼吸が浅い人は、酸素の取り込みが少ない。
酸素が足りなければ、消化の働きも鈍くなる…
横隔膜がしっかり動けば、酸素は身体の奥まで届きます。
でも猫背の姿勢が続くと、横隔膜の動きは小さくなる。
胃腸の調子と呼吸の深さ。食べ物と身体の使い方。
この二つが見えてくると、夏前の過ごし方がまるで変わります。
踏み込んだ言い方ですが、脾胃を整えることと呼吸を整えることは、同じひとつの作業です。
どちらか一方を動かすだけでは、半分しか届きません。
夏に食欲が落ちる本当の理由は、暑さで脾が疲れるのではなく、湿気が脾の通り道を塞ぐからです。湿は熱より先に脾を止めます。
「夏バテ=暑さ」という解釈は、最も身体が崩れる「梅雨の時期」を素通りしています。
7月に「なんとか持ちこたえた」と感じても、6月に湿邪が脾を止めていれば、8月後半に必ず出てきます。
夏バテは8月の問題ではなく、6月の問題です。
この再定義が、毎年同じパターンを繰り返している方の、最初の出口になります。
FOR / この記事が向いている人
向いている方
- ✓毎年同じ季節に、同じ不調が出る繰り返しに気づいている
- ✓季節の変わり目に身体が崩れやすい
- ✓一年のリズムで、身体を整えたい
- ✓民間療法ではなく、原理を知って実践したい
- ✓五行や東洋医学の知恵を、現代の生活に活かしたい
今は別の道が合う方
- —季節の変わり目を、すでに穏やかに過ごせている
- —季節とは無関係の症状に集中したい
- —短期決着型の対処を求めている
PREVIEW / ここから先で扱うこと
- ●前の季節の過ごし方が、今の不調を作っている五行の構造
- ●季節ごとに優先順位が変わる、五臓の整え方
- ●季節の変わり目に出やすい不調と、その手前の養生
- ●一年のリズムで身体を整える、養生の年間カレンダー
- ●自分の季節リズムを、五臓の声から自分で読めるようになる
Q&A / 読みはじめる前に
Q. 運動が苦手でも、続けられますか?
続けられます。鍛えることが前提ではなく、本来の動きを思い出すことが前提です。激しい運動は出てきません。日常の合間に取り入れられる範囲で組まれています。
Q. 年齢を重ねていても、身体は変わりますか?
身体は何歳からでも応えてくれます。30年以上の現場で、いちばん早く変化に気づくのは、むしろ長く諦めてきた方々でした。年齢は理由になりません。
Q. 読んだあと、すぐに変化を感じられますか?
早い方は読んだその日のうちに、身体のどこかが軽くなるのを感じます。順番の通りに辿っていただければ、応えてくれる方が多いです。
ここから先に、もう一段深い話があります。
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概念図・PNFC独自の見立て
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