秋が深まると身体から水分が逃げていく
この記事を書いた人
高田 一壽
たかだ かずひさ
- 役職
- PNFCメソッド 開発者
株式会社ピーエヌエフシーテック 代表 - 臨床歴
- 30年以上
- 施術実績
- 月間200名以上
- 教育
- 療術学院・競輪学校等の講師も実施経験
- 指導実績
- 全国の障害者施設・高齢者施設・スポーツ団体
- メディア
- 大手企業TVCM出演、各種スポーツ団体との契約指導
長年の現場経験から体系化されたPNFCは、「鍛える」のではなく 「本来の機能を取り戻す」 コンディショニング法として確立されました。
水を飲んでいるのに、身体が乾く
朝、洗面台で顔を洗う。
頬がつっぱる。
リップを塗ったはずなのに、昼前にはもう唇が割れている。
夕方、ふくらはぎを触ると粉をふいている。
水はちゃんと飲んでいる。
2リットル近く飲んでいる日もある。
それなのに、潤っている感じがしない。
クリームを塗っても塗っても、乾きが追いかけてくる。
寒露を過ぎた頃から、毎年こうなる。
「秋だから仕方ない」と思いながら、ハンドクリームの減りだけが早くなっていく。
でも、この乾きには身体の内側からの理由があります。
毎年同じ頃に、同じ場所が乾く。
去年も一昨年も、寒露を過ぎた頃から始まる。
「今年こそ」と新しいクリームを買ってみても、11月になると指の関節が割れる。
繰り返すたびに、何かが積み上がっていく感覚があります。
「自分の肌はそういう体質なんだ」という、静かな諦めが。
体質と言われてしまえば、手の打ちようがない気がします。
でも、PNFCの現場では、この「体質」と言われてきた乾燥が、
整え方を変えることで変わっていく方を何人も見てきました。
乾燥を「体質」ではなく「状態」として見直す。
そこが始まりです。
乾くのは「水が足りない」からではない
乾燥すると、つい水を飲もうとします。
けれど、東洋の身体観では乾燥の本質は別のところにあります。
水の量ではなく、「水を留める力」。
スーパーで梨を手に取ると、表面がざらつく一個があります。
中にはちゃんと水分がある。それなのに、表面だけが乾いている。
身体でも同じことが起きています。
水は飲んでいる。でも肌まで届いていない。
飲んだ水がそのまま尿として出てしまい、身体の中を素通りしている。
…本当にこれだけ?
水を身体の中に留めているのは、脾と腎の仕事です。
脾が水を配分し、腎が水を蓄える。
この二つが疲れていると、いくら飲んでも潤わない。
秋が深まるにつれて乾燥が加速するのは、臓器の保水力が季節の変化に追いついていないからです。
飲む量を増やしても、水が留まらなければ乾燥は変わりません。変えるべきは「量」ではなく「留める力」です。
ここが難しいところで、「留める力」は意識して鍛えられるものではありません。
脾・腎・肺という三つの臓器が連動して動いて、はじめて成立するしくみ。
どれか一つが弱れば、他の二つへの負荷が増し、連鎖的に保水力が下がっていく。
ご自分でクリームを変え、水を増やし、食事に気をつけていても
なかなか変わらないのは、この三つの連鎖を同時に整えることが
一人で順番を組み立てるには、構造的にとても難しいからです。
季節の不調を、PNFCはこう見ている
第1層
表に現れている症状
季節の変わり目の不調 / だるさ / 風邪をひきやすい / 気分の波 / 古傷の疼き
— ここを揉んでも、しばらくすると戻ってくる
第2層
巡りと呼吸の停滞
血の流れが鈍る / 水の巡りが滞る / 呼吸が浅くなる / 自律神経の揺れ
— 第1層の症状を作り出している、ひとつ手前の流れ
第3層 / 根
五臓の循環と季節のリズム
前の季節の過ごし方 / 五臓の連鎖 / 使われ方のズレ / 深層の眠り
— ここに手がつくと、上の二層が一緒にほどけはじめる
水を留められる身体になると、冬が変わる
脾と腎が本来の働きを取り戻すと、身体の中の水の流れが変わります。
朝7時、洗面台で顔を洗ったあとの感触が変わります。
頬に手を当てたとき、つっぱる感覚がない。
ひんやりとはしているけれど、しっとりしている。
そのまま日焼け止めだけ塗って外に出られる朝。
午後になっても、唇がリップなしでもつ。
夕方にふくらはぎを触ると、粉をふいていない。
指の関節がかさかさしていない。
夜中にトイレで目が覚める回数が減る。
朝のお通じがスムーズになる。
疲れの抜けが早くなる、眠りが一段深くなる。
こうした変化は、身体の内側の水の流れが変わったサインです。外から塗るケアではなく、内側から留まるようになった身体の反応です。
でも、なぜ脾と腎が疲れるのか。
なぜ秋に加速するのか。
そして、食と動きで何をどう整えればいいのか。
その構造は、一本の線ではつながりません。
五行、季節、食材、動き。いくつもの層が重なっています。
この記事の有料パートで読めること
ここから先では、秋の乾燥を身体の内側から読み解きます。
- 脾と腎の疲れがどう連鎖して「水を留められない身体」をつくるか
- 乾燥が肌だけでなく便秘・免疫・睡眠にまで波及する構造
- 五行で読む「なぜ寒露から霜降にかけて悪化するのか」
- かぼちゃ、黒豆、銀杏。季節の食材と臓器の対応
- 回旋で内臓を温める動きの原理
- 爪・便・肌で自分の「水の留まり具合」を読む方法
秋の乾燥を、クリームではなく身体の構造から理解したい方へ。
知りたい方だけ、この先へどうぞ。
FOR / この記事が向いている人
向いている方
- ✓毎年同じ季節に、同じ不調が出る繰り返しに気づいている
- ✓季節の変わり目に身体が崩れやすい
- ✓一年のリズムで、身体を整えたい
- ✓民間療法ではなく、原理を知って実践したい
- ✓五行や東洋医学の知恵を、現代の生活に活かしたい
今は別の道が合う方
- —季節の変わり目を、すでに穏やかに過ごせている
- —季節とは無関係の症状に集中したい
- —短期決着型の対処を求めている
PREVIEW / ここから先で扱うこと
- ●前の季節の過ごし方が、今の不調を作っている五行の構造
- ●季節ごとに優先順位が変わる、五臓の整え方
- ●季節の変わり目に出やすい不調と、その手前の養生
- ●一年のリズムで身体を整える、養生の年間カレンダー
- ●自分の季節リズムを、五臓の声から自分で読めるようになる
Q&A / 読みはじめる前に
Q. 運動が苦手でも、続けられますか?
続けられます。鍛えることが前提ではなく、本来の動きを思い出すことが前提です。激しい運動は出てきません。日常の合間に取り入れられる範囲で組まれています。
Q. もう年齢的に、今から変わるのは難しいのではないかと感じます
身体は何歳からでも応えてくれます。30年以上の現場で、いちばん早く変化に気づくのは、むしろ長く諦めてきた方々でした。年齢は理由になりません。
Q. 読んだあと、すぐに変化を感じられますか?
早い方は読んだその日のうちに、身体のどこかが軽くなるのを感じます。順番の通りに辿っていただければ、応えてくれる方が多いです。
ここから先に、もう一段深い話があります。
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概念図・PNFC独自の見立て
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