春に関節が痛むのは、肝臓のサインかもしれない
この記事を書いた人
高田 一壽
たかだ かずひさ
- 役職
- PNFCメソッド 開発者
株式会社ピーエヌエフシーテック 代表 - 臨床歴
- 30年以上
- 施術実績
- 月間200名以上
- 教育
- 療術学院・競輪学校等の講師も実施経験
- 指導実績
- 全国の障害者施設・高齢者施設・スポーツ団体
- メディア
- 大手企業TVCM出演、各種スポーツ団体との契約指導
長年の現場経験から体系化されたPNFCは、「鍛える」のではなく 「本来の機能を取り戻す」 コンディショニング法として確立されました。
この一段奥にあたる話は、別の記事でゆっくり扱っています。
≫ 朝、腰に手を当てて起き上がる日が増えていませんか
春に関節が痛むのは、肝臓のサインである
啓蟄を過ぎると、関節がきしむ
朝、起き上がろうとして膝がこわばっている。すぐには伸ばせない。夜中にトイレで起きた後、布団に戻っても腰のあたりが重い。
階段を降りるとき、一段目で膝の奥にズキッと走るものがある。手すりを握る力が、いつもより強くなっている。
ペットボトルのキャップを開けようとして、手首にピリッとくる。こんなこと、冬にはなかったのに。
「あれ、去年もこの時期にこうだったな」と思い当たる。「年齢のせいだ」と思ってきた。でもそれは年齢の問題ではありません。季節と内臓の連鎖が起きているサインです。
毎年、同じ時期に、同じ場所が痛む。「年齢のせいだから仕方がない」と思ってきた。でもそれは加齢の問題ではありません。そこには、季節と身体の連鎖が隠れています。
関節が痛いのに、関節が原因ではない
関節が痛い。だから関節が悪いのだろう。整形外科で「軟骨がすり減っている」と言われ、湿布やサプリで様子を見る。それ自体は間違いではありません。
ただ、もうひとつ別の見方があります。
東洋医学には「肝は筋を主る」という考え方があります。ここでいう「肝」は、西洋医学の肝臓とは少し違う概念です。身体の中で筋肉や腱の柔軟さを司る働きのことを指します。
この「肝」の働きが硬くなると、腱が硬くなります。腱は関節をまたいでいますから、硬さが関節の痛みとして出てくる。
そして五行という考え方では、肝は「春」に対応しています。
春になると肝の気が上昇し始める。身体に「動け」という指令が送られる。ところが冬の間に固まった筋や腱は、すぐには応答できません。その結果、負荷が関節に集中する。
…でも、本当にこれだけ?
湿布を貼っているのは被害者の関節です。犯人は別のところにいる。ここが一番大事なところです。
関節が「結果」だとすれば、原因はもっと上流にある。この見方が変わると、やることが変わります。
ストレッチが効かない本当の理由
「毎朝ストレッチをしているのに、また固まっている」。整体で揉んでもらった翌日には戻っている。この繰り返しに疲れた方は多いと思います。
ここに、気がつかれにくい構造があります。
筋肉や腱を表面からほぐすことはできます。でもほぐれた直後から、身体は元の緊張パターンに戻ろうとする。なぜかというと、緊張を命令しているのは内臓の状態だからです。
車のアクセルを踏みながらブレーキをかける。その状態と同じです。ブレーキ(筋肉のほぐし)だけ強くしても、アクセル(肝の命令)が変わらなければ、また緊張が戻ってくる。表面を触っても変わらない理由は、ここにあります。
春の関節痛に対して、PNFCが見ているのは関節そのものではありません。腎から肝への受け渡し、肝気の巡り、そこから腱への影響という連鎖です。連鎖の上流から整えると、表面のほぐしが「その日で終わり」ではなくなります。
連鎖の上流から整えると、春が変わる
朝7時、布団から足を出した瞬間の話をします。
膝の奥にあった重たさが、ない。階段の一段目で手すりに手が伸びない。それが、連鎖の上流から整えると起きることです。関節そのものに手を当てていたときとは、明らかに違う朝…と話してくださる方が、現場では少なくありません。
午後3時、仕事の合間に立ち上がる。腰の奥から来るズシンという重さが、以前より軽い。背骨の周りに、少し空気が入ったような感覚がある。
夜、入浴後にふと気づく。肩甲骨の下の部分が、いつもより動いている気がする。硬く張り詰めていた感覚が、少し緩んでいる…
これは「頑張った成果」ではありません。連鎖の起点が動き出すと、末端の痛みが自然に変わるという話です。毎年同じ時期に同じ場所が痛んでいた方が、翌年の啓蟄を違う身体で迎える。PNFCの臨床現場では、そういう変化を30年以上見続けてきています。
ただし、それには順番があります。肝だけを整えても、根の腎が冷えたままでは立て直しができない。腎から肝へ、という冬から春への受け渡しが整うことで、はじめて末端の腱まで変化が届く。腱を伸ばす前に、腎を温めることから始めるという順番の話は、続きに書いています。
FOR / この記事が向いている人
向いている方
- ✓ストレッチや運動を続けても、同じ場所が固まり戻ってくる
- ✓整体に通っても、しばらくすると元に戻る
- ✓朝の起き上がりに違和感がある
- ✓痛みの場所ではなく「なぜ起きるか」を知りたい
- ✓鍛えるのではなく、本来の動きを取り戻したい
今は別の道が合う方
- —整体や施術で、すでに楽になっている時期にある
- —強い運動でガッツリ追い込みたい
- —即効性の処方箋だけを探している
PREVIEW / ここから先で扱うこと
- ●原始姿勢反射と深層筋の眠り、いまの痛みがどこから始まっているか
- ●関節を伸ばすのではなく小さく回す、その意味と効き方
- ●代償動作が固定される仕組みと、ほどいていく順番
- ●朝の起き上がりの違和感が消えていく、そのプロセス
- ●自分の軸ズレを、朝の身体感覚から自分で読めるようになる
Q&A / 読みはじめる前に
Q. 運動が苦手でも、続けられますか?
続けられます。鍛えることが前提ではなく、本来の動きを思い出すことが前提です。激しい運動は出てきません。日常の合間に取り入れられる範囲で組まれています。
Q. 年齢が上がるほど変わりにくくなりますか?
身体は何歳からでも応えます。30年以上の現場で、いちばん早く変化に気づくのは、むしろ長く諦めてきた方々でした。年齢で応答が変わるのではなく、順番が整っているかどうかが変化の速さを決めます。
Q. 読んだあと、すぐに変化を感じられますか?
早い方は読んだその日のうちに、身体のどこかが軽くなるのを感じます。順番の通りに辿っていただければ、応えてくれる方が多いです。
ここから先に、もう一段深い話があります。
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概念図・PNFC独自の見立て
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