筋骨格

春に関節が痛むのは、肝臓のサインかもしれない

KAZU@FURYU
* * *

この記事を書いた人

高田一壽

高田 一壽

たかだ かずひさ

役職
PNFCメソッド 開発者
株式会社ピーエヌエフシーテック 代表
臨床歴
30年以上
施術実績
月間200名以上
教育
療術学院・競輪学校等の講師も実施経験
指導実績
全国の障害者施設・高齢者施設・スポーツ団体
メディア
大手企業TVCM出演、各種スポーツ団体との契約指導

長年の現場経験から体系化されたPNFCは、「鍛える」のではなく 「本来の機能を取り戻す」 コンディショニング法として確立されました。

この一段奥にあたる話は、別の記事でゆっくり扱っています。
≫ 朝、腰に手を当てて起き上がる日が増えていませんか

春に関節が痛むのは、肝臓のサインである

啓蟄を過ぎると、関節がきしむ

朝、起き上がろうとして膝がこわばっている。すぐには伸ばせない。夜中にトイレで起きた後、布団に戻っても腰のあたりが重い。

階段を降りるとき、一段目で膝の奥にズキッと走るものがある。手すりを握る力が、いつもより強くなっている。


ペットボトルのキャップを開けようとして、手首にピリッとくる。こんなこと、冬にはなかったのに。

「あれ、去年もこの時期にこうだったな」と思い当たる。「年齢のせいだ」と思ってきた。でもそれは年齢の問題ではありません。季節と内臓の連鎖が起きているサインです。


毎年、同じ時期に、同じ場所が痛む。「年齢のせいだから仕方がない」と思ってきた。でもそれは加齢の問題ではありません。そこには、季節と身体の連鎖が隠れています。




関節が痛いのに、関節が原因ではない

関節が痛い。だから関節が悪いのだろう。整形外科で「軟骨がすり減っている」と言われ、湿布やサプリで様子を見る。それ自体は間違いではありません。

ただ、もうひとつ別の見方があります。


東洋医学には「肝は筋を主る」という考え方があります。ここでいう「肝」は、西洋医学の肝臓とは少し違う概念です。身体の中で筋肉や腱の柔軟さを司る働きのことを指します。

この「肝」の働きが硬くなると、腱が硬くなります。腱は関節をまたいでいますから、硬さが関節の痛みとして出てくる。


そして五行という考え方では、肝は「春」に対応しています。

春になると肝の気が上昇し始める。身体に「動け」という指令が送られる。ところが冬の間に固まった筋や腱は、すぐには応答できません。その結果、負荷が関節に集中する。


肝気の上昇
腱がついていけない
関節痛

…でも、本当にこれだけ?


湿布を貼っているのは被害者の関節です。犯人は別のところにいる。ここが一番大事なところです。


関節が「結果」だとすれば、原因はもっと上流にある。この見方が変わると、やることが変わります。


ストレッチが効かない本当の理由

「毎朝ストレッチをしているのに、また固まっている」。整体で揉んでもらった翌日には戻っている。この繰り返しに疲れた方は多いと思います。


ここに、気がつかれにくい構造があります。

筋肉や腱を表面からほぐすことはできます。でもほぐれた直後から、身体は元の緊張パターンに戻ろうとする。なぜかというと、緊張を命令しているのは内臓の状態だからです。


車のアクセルを踏みながらブレーキをかける。その状態と同じです。ブレーキ(筋肉のほぐし)だけ強くしても、アクセル(肝の命令)が変わらなければ、また緊張が戻ってくる。表面を触っても変わらない理由は、ここにあります。


春の関節痛に対して、PNFCが見ているのは関節そのものではありません。腎から肝への受け渡し、肝気の巡り、そこから腱への影響という連鎖です。連鎖の上流から整えると、表面のほぐしが「その日で終わり」ではなくなります。



連鎖の上流から整えると、春が変わる

朝7時、布団から足を出した瞬間の話をします。


膝の奥にあった重たさが、ない。階段の一段目で手すりに手が伸びない。それが、連鎖の上流から整えると起きることです。関節そのものに手を当てていたときとは、明らかに違う朝…と話してくださる方が、現場では少なくありません。


午後3時、仕事の合間に立ち上がる。腰の奥から来るズシンという重さが、以前より軽い。背骨の周りに、少し空気が入ったような感覚がある。


夜、入浴後にふと気づく。肩甲骨の下の部分が、いつもより動いている気がする。硬く張り詰めていた感覚が、少し緩んでいる…


これは「頑張った成果」ではありません。連鎖の起点が動き出すと、末端の痛みが自然に変わるという話です。毎年同じ時期に同じ場所が痛んでいた方が、翌年の啓蟄を違う身体で迎える。PNFCの臨床現場では、そういう変化を30年以上見続けてきています。


ただし、それには順番があります。肝だけを整えても、根の腎が冷えたままでは立て直しができない。腎から肝へ、という冬から春への受け渡しが整うことで、はじめて末端の腱まで変化が届く。腱を伸ばす前に、腎を温めることから始めるという順番の話は、続きに書いています。



FOR / この記事が向いている人

向いている方

  • ストレッチや運動を続けても、同じ場所が固まり戻ってくる
  • 整体に通っても、しばらくすると元に戻る
  • 朝の起き上がりに違和感がある
  • 痛みの場所ではなく「なぜ起きるか」を知りたい
  • 鍛えるのではなく、本来の動きを取り戻したい

今は別の道が合う方

  • 整体や施術で、すでに楽になっている時期にある
  • 強い運動でガッツリ追い込みたい
  • 即効性の処方箋だけを探している

PREVIEW / ここから先で扱うこと

  • 原始姿勢反射と深層筋の眠り、いまの痛みがどこから始まっているか
  • 関節を伸ばすのではなく小さく回す、その意味と効き方
  • 代償動作が固定される仕組みと、ほどいていく順番
  • 朝の起き上がりの違和感が消えていく、そのプロセス
  • 自分の軸ズレを、朝の身体感覚から自分で読めるようになる

Q&A / 読みはじめる前に

Q. 運動が苦手でも、続けられますか?

続けられます。鍛えることが前提ではなく、本来の動きを思い出すことが前提です。激しい運動は出てきません。日常の合間に取り入れられる範囲で組まれています。

Q. 年齢が上がるほど変わりにくくなりますか?

身体は何歳からでも応えます。30年以上の現場で、いちばん早く変化に気づくのは、むしろ長く諦めてきた方々でした。年齢で応答が変わるのではなく、順番が整っているかどうかが変化の速さを決めます。

Q. 読んだあと、すぐに変化を感じられますか?

早い方は読んだその日のうちに、身体のどこかが軽くなるのを感じます。順番の通りに辿っていただければ、応えてくれる方が多いです。

ここから先に、もう一段深い話があります。



この続きは有料パート

概念図・PNFC独自の見立て

~ この続きをみるには ~

この続き:10634文字

登録すると続きをお読みいただけます

春に関節が痛むのは肝臓のサインかもしれない
≫購入手続きへ
上記のリンクからご購入いただけます
ABOUT ME
高田一壽
高田一壽
PNFC TEC JAPAN 会長
30年以上にわたり、月200名を超える人々の身体と向き合ってきた、日本でも稀有なコンディショニングのスペシャリストである。 東京療術学院で講師として専門家育成に携わり、全国の障害者施設・高齢者施設・スポーツ団体での指導を通じて、幅広い臨床経験を培ってきた。 大手企業のTVCM出演、各種スポーツ団体との契約指導、全国から寄せられる多数のセミナー依頼など、多方面で活動実績を積み重ねている。 その長年の現場経験から体系化されたPNFCは、運動能力の改善と身体の再構築を可能にするメソッドとして確立され、現在も全国からの依頼が絶えることはない。
記事URLをコピーしました