21時から23時の過ごし方が睡眠を決める
この記事を書いた人
高田 一壽
たかだ かずひさ
- 役職
- PNFCメソッド 開発者
株式会社ピーエヌエフシーテック 代表 - 臨床歴
- 30年以上
- 施術実績
- 月間200名以上
- 教育
- 療術学院・競輪学校等の講師も実施経験
- 指導実績
- 全国の障害者施設・高齢者施設・スポーツ団体
- メディア
- 大手企業TVCM出演、各種スポーツ団体との契約指導
長年の現場経験から体系化されたPNFCは、「鍛える」のではなく 「本来の機能を取り戻す」 コンディショニング法として確立されました。
眠れない夜の原因は、寝る直前にはない
布団に入っても、頭の中がざわざわしている…
やっと眠れたと思ったら、夜中の3時に目が覚める。そこから眠れない。朝、起きた瞬間からもう疲れている。
こんな朝が続いている方へ。
朝6時に目覚ましを止めたとき、胸のあたりがもう重い。一日が始まる前から、身体が申し訳なさそうにしている…
これは自分だけのことだと思っていた方も、PNFCの現場で会うと、同じ詰まり方をしているんです。
スマホをやめてみた。ぬるめのお風呂にも入った。アイマスクもした。でも、あまり変わらない。
サプリも試した。「今度こそ」と思って始めたルーティンも、2週間で崩れる。
また続かなかった、という感覚が積み上がっていく…
PNFCの現場で、こういう方に何百人も会ってきました。みなさん、同じ場所でつまずいているんです。
「あれだけやったのに変わらなかった」という経験が、次の一歩を重くしてしまうんです…
眠れない本当の理由は、「寝る前の2時間」ではなく、その日の夕方以降の身体の状態にあります。
踏み込んだ言い方をすれば、スマホをやめても、ぬるめのお風呂に入っても、変わらない方は変わらない。嫌われる言い方になりますが、これが30年以上の現場で見てきた事実です。
上流が詰まっているまま、入り口だけを整えても、水は流れてこない…
川の上流と下流のようなもので、下流をいくらきれいにしても、上流の濁りは消えない。
「眠ろうとして眠れない」という感覚、心細いですよね。何をやっても届かない感じ。
その詰まり方には、きちんと理由があります。
「眠れない」は症状ではない。上流の問題が夜に出ているだけ
眠れない原因として、よく言われるのは「ストレス」と「スマホ」。確かにそれも関係しますが、それは入り口の話です。
PNFCの現場で繰り返し確認してきたことがあります。眠れないのは、夜に何かが起きているのではなく、昼間から積み上がった身体の状態が夜に表れているだけなんです。
東洋医学では、21時から23時は三焦経(さんしょうけい)が巡る時間帯です。
三焦とは全身の気と水を調節する経絡で、この時間に身体が「一日の整理整頓」を行います。
いわば、身体の内側が一日分の疲れと滞りを処理する、2時間のメンテナンス時間なんです。
この整理整頓の時間に、仕事のメールを確認する。スマホの画面を見続ける。
心火(しんか)が上がります。
心が興奮したまま床に就いても、身体は眠りのスイッチを入れられない。
メンテナンスが途中で中断された身体は、翌朝になっても回復が半端なまま持ち越されるんですね。
脾も巻き込まれる
…問題は23時ではなく、21時にある
眠れないのは意志の弱さでも、体質のせいでもありません。身体の上流に詰まりがあって、その結果が夜に出ている。そういう構造です。
もう一つ、現場でよく見るパターンがあります。夕食後に甘いものへ手が伸びる。
これを「意志が弱い」と思っている方が多いんですが、違います。脾(ひ)が疲れているサインです。
脾が疲れると、血をつくる材料が減る。血が不足すると、心が落ち着かなくなる。
この連鎖が、眠れない夜をつくっているんです。
養生の部屋でよく話されていたのが、ペットボトルのお茶の問題です。
「ジュースはダメ。じゃあお茶ならいいですか。ペットボトルのお茶もダメです」と。
ペットボトルの茶色を保つためにビタミンCが添加されていて、それが肝臓に負担をかける。
肝が疲れると血の巡りが悪くなり、心の安定が崩れ、眠りに影響する。
健康に気を使っているつもりで、知らないうちに上流を詰まらせていた…
全部つながっているんですね。
「眠れない」を睡眠の問題として扱うと、一生届かない
眠れない夜を「睡眠の問題」として捉えると、対策はどうしても寝室の話になります。枕を変える、照明を暗くする、入眠サプリを試す…
でも、眠りは「寝室で始まる」のではなく、その日の朝から積み上がった身体の状態がそのまま夜に現れます。
現場でこういう方がいました。10年以上、毎晩3時に目が覚める。秋になるたびに悪化する。耳鼻科で診てもらったが「異常なし」。睡眠外来では「ストレスが原因」と言われた。
PNFCの見方では、3時から5時は肺の経絡が最も活発に動く時間帯です。この方は秋になると乾燥で肺が傷み、その修復活動が3時に始まる。眠りを分断しているのは、肺の乾燥という上流の問題でした。
眠れない夜を「睡眠障害」として扱い続けるかぎり、五臓の連鎖には一生手が届きません。
現場を見続けて気づいたことがあります。以前は「眠れないのは精神科の範囲」と思っていました。でも、そうではなかった。五臓の連鎖を丁寧に辿ると、原因はもっと身体の奥にある。
「眠れない」から「眠らせてもらえない何かがある」へ。この見方の向きが反転したとき、アプローチが根本から変わりました。
なぜ届かないのか。三つの理由があります。
一つ目。どの臓が眠りを乱しているかは、季節・時刻・症状の組み合わせで変わる。一つのアプローチでは当たらない。
二つ目。心火・脾虚・肺燥・腎冷の四つが単独ではなく連鎖していることが多い。入り口を間違えると、整えようとした臓が余計に消耗する。
三つ目。「身体の整え方の順番」が存在する。この順番を知らないまま動くと、途中で詰まって止まる。
三つ全部が揃っていないと動かない。同時に三つが揃わなければ、身体は動きはじめません。
ご自分で手探りでこの三つを揃えるのは、構造的にかなり難しい。どの臓が起点か、どの季節か、どの順番か。この三つを同時に判断しながら整えていくのは、正直なところ、一人でやるのは心細い作業です。
何年も試行錯誤してきた方ほど、「本当にこれで合っているのか」と立ち止まってしまう…
心細いですよね、こういう詰まり方は。
「また間違えたんだろうか」と思いながらも、やめられない。
それは意志の問題ではなく、正しい地図を持てていなかっただけなんです。
つながる不調を、PNFCはこう見ている
第1層
表に現れている症状
一見ばらばらの不調 / 別の場所への波及 / 慢性化 / 再発 / 同時多発
— ここを揉んでも、しばらくすると戻ってくる
第2層
巡りと呼吸の停滞
血の流れが鈍る / 水の巡りが滞る / 呼吸が浅くなる / 自律神経の揺れ
— 第1層の症状を作り出している、ひとつ手前の流れ
第3層 / 根
五臓の循環と季節のリズム
前の季節の過ごし方 / 五臓の連鎖 / 使われ方のズレ / 深層の眠り
— ここに手がつくと、上の二層が一緒にほどけはじめる
深い眠りは、取り戻せる
気がついたら眠っていた。
夜中の3時に目が覚めることなく、朝まで通して眠れた。
布団から出たとき、胸のあたりが軽い。呼吸がいつもより深い気がする。
朝、足を床に下ろしたとき、仙骨の真ん中がじんわりと温かい。
石のように冷えて固まっていた腰まわりが、少しずつほどけはじめている感覚…
そういう朝は、「頑張った」から来るわけではないんです。
身体が本来の流れを取り戻したとき、眠りは自然にやってくる。それがPNFCの見立てです。
何を整えるか、どの順番で動かすか、そしてどの季節に何を補うか。
この三つが揃ったとき、何年も続いた夜中の覚醒が静かに減っていきます。
朝、目を覚ましたときに、胸のあたりが軽い。以前は布団の中でも身体が鉛のようだった。今は違う。その変化の順番が、ここから先で見えてきます。
ここで言い切ります。「以前はどれをやっても戻ってきた」から「今は整えの入り口が分かる」へ。この移動は起きます。
もちろん全員に同じ速度で起きるとは言いません。個人差があります。ただ、詰まり方の構造が見えるだけで、次の一歩が変わるのは事実です。
全員に当てはまるとは申しません。
ただ、「何をしても届かなかった」という詰まり方をしてきた方には、かなり届く内容だと思っています。
その道筋を、ここから先で一緒に辿ります。
FOR / この記事が向いている人
向いている方
- ✓ばらばらに見える複数の不調が、内側でつながっている感覚がある
- ✓ひとつ整えてもまた別の場所が出る、を繰り返している
- ✓個別対症ではなく、全体像を知りたい
- ✓複数の症状を同時に動かしたい
- ✓自分の身体の地図を持ちたい
今は別の道が合う方
- —ひとつの症状だけで、ご自分の身体を捉えていらっしゃる
- —部位別の対処法を探している
- —短期完結型の答えだけを求めている
PREVIEW / ここから先で扱うこと
- ●上流の不調が下流へ波及する、三段階の連鎖構造
- ●複数の症状を同時に動かす、ひとつの整え方
- ●「対処しても戻ってくる」連鎖を断つ順番
- ●ばらばらに見えていた不調が、一本につながって見える瞬間
- ●自分の不調のつながりを、自分で読めるようになる
Q&A / 読みはじめる前に
Q. 運動が苦手でも、続けられますか?
続けられます。鍛えることが前提ではなく、本来の動きを思い出すことが前提です。激しい運動は出てきません。日常の合間に取り入れられる範囲で組まれています。
Q. もう年齢的に、いまさら変わらないのではと感じています
身体は何歳からでも応えてくれます。30年以上の現場で、いちばん早く変化に気づくのは、むしろ長く諦めてきた方々でした。年齢は理由になりません。
Q. 読んだあと、すぐに変化を感じられますか?
早い方は読んだその日のうちに、身体のどこかが軽くなるのを感じます。順番の通りに辿っていただければ、応えてくれる方が多いです。
ここから先に、もう一段深い話があります。
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概念図・PNFC独自の見立て
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