梅雨に冷える身体の仕組み
この記事を書いた人
高田 一壽
たかだ かずひさ
- 役職
- PNFCメソッド 開発者
株式会社ピーエヌエフシーテック 代表 - 臨床歴
- 30年以上
- 施術実績
- 月間200名以上
- 教育
- 療術学院・競輪学校等の講師も実施経験
- 指導実績
- 全国の障害者施設・高齢者施設・スポーツ団体
- メディア
- 大手企業TVCM出演、各種スポーツ団体との契約指導
長年の現場経験から体系化されたPNFCは、「鍛える」のではなく 「本来の機能を取り戻す」 コンディショニング法として確立されました。
梅雨なのに、足がひんやりしている
6月。気温は25度を超えている。なのに、足首から下がひんやり冷たい。
靴下を脱ぐと、足の甲がむくんでいる。夕方になると、足首のくるぶしの輪郭がぼやけて見えなくなる。朝から感じていた足の重だるさが、夜には靴を脱ぐのが億劫なほどになっている…。
寒くはない。でも冷えている。暑いのか寒いのか、自分でもよくわからない。
雨の日が続くと、身体が重い。朝、目覚ましが鳴っても布団から出られない。デスクに座っていても、足先だけがじわじわと冷たい。温かいお茶を飲んでも、下半身の冷えは変わらない。
「梅雨だから仕方ない」。そう思いながら、冬と同じように靴下を重ねて過ごしてきた方は多いと思います。
でも、それが一向に効かない。梅雨が明けるまで、ずっと足が重いまま。毎年同じことを繰り返している。そして、誰にも「体質です」としか言ってもらえない。
心細いですよね。何をしても変わらないと感じたとき、「もう諦めるしかないのかな」という気持ちになるのは、当然のことだと思います。
梅雨の冷えは、冬の冷えとは仕組みがまったく違います。温め方を間違えると、かえって身体が重くなる。この「違い」を先に知らないまま対処しても、梅雨が明けるまで何も変わらないんです。
梅雨の冷えは、「気温」ではなく「脾が動けない」から始まる
冬の冷えは気温の低さから来ます。外が寒いから、身体が冷える。わかりやすい。
でも梅雨は暑い日もある。気温だけ見れば、冷えるはずがない。
起点が違うんです。
梅雨の冷えは、脾(ひ)が湿気で動けなくなることから始まります。
東洋医学の脾は、食べたものをエネルギーに変えながら、水分を全身に配る役割を担っています。いわば身体の中の「配水管の管理者」です。
この脾が最も苦手とするのが、「湿」。外の湿度が高くなると、脾の働きが鈍ります。雨の日に洗濯物が乾かないのと同じ原理が、身体の中でも起きています。脾が動けなくなると、水の排出力が落ちる。結果、水が行き場をなくして溜まっていく。
溜まった水は冷える。流れている水は温かさを運びますが、動かない水は温度を失います。これが、梅雨に気温が高いのに足が冷える理由です。
この起点が変わらない限り、靴下を重ねても届かない場所が残り続けます。
靴下で温めても根本が変わらないのは、水が動いていないからです。温めた熱は、滞った水に吸い取られてしまいます。外から温めるより先に、脾が動けるかどうか。ここが梅雨の冷えの分岐点です。
もう一つ、重要なことがあります。
「除湿すること」と「身体の水を巡らせること」は別物です。エアコンで部屋の湿度を下げても、脾の機能が戻るわけではない。身体の内側で水を動かす力を取り戻さない限り、冷えは続きます。これが梅雨の冷えで、多くの方がはまる落とし穴なんです。
梅雨の時期に同じ症状で来られる方を見ていると、どこか引っかかることがあります。「梅雨だから仕方ない」という言葉で、ご自身の身体の訴えを早めに閉じてしまっている。その引っかかりが、PNFCでこの時期を丁寧に扱う理由の一つです。梅雨の冷えを季節の空気で説明して終わらせるのは、現場ではどうしても雑に扱ってはいけないことだと感じています。
脾が動き始めると、一日の感触が変わる
朝目覚めたとき、布団から足を出しても足先が冷たくない。まぶたが軽い。床に当たる足の裏の感覚が、昨日とは少し違う。
午前中。仕事をしていても、足首あたりの重だるさが出てこない。ランチの後、いつもなら机に突っ伏したくなる眠気が、今日はそれほどでもない。食後のお腹の張りが薄くなった気がする。
夕方。靴を脱いだとき、足がすっと入っていたことに気づく。くるぶしの輪郭がぼやけていない。靴下の跡が、いつもより早く消えた。
夜。入浴後、鏡で唇を見ると、ひび割れが少し落ち着いている。足先がほんのりあたたかいまま、そのまま眠れる。
脾の水の巡りが整い始めると、変化は冷えだけでは終わりません。むくみが落ち着き、食後の重さが消え、雨の朝にも身体が軽い。梅雨の季節を、毎年とは別の感触で過ごすことができる。
ただ、そこに辿り着くには、「脾が弱る→水が滞る→冷える」という連鎖の全体像を、上流から理解する必要があります。部分だけ触っても、全体はほどけません。
また、水の滞りを食卓から整える方法も、梅雨の初旬・中旬・下旬で異なります。時期を外すと、脾の動きを助けるはずの食材が、逆に負担になることもある。このタイミングを知らないまま「良さそうなもの」を食べ続けても、身体がなかなか応えてくれないのはそのためなんです。
この記事の有料パートで読めること
有料パートでは、梅雨の冷えと水の滞りの関係を、上流から読み解いていきます。
- 湿度 → 脾の機能低下 → 水の滞り → 冷えの連鎖を段階ごとに解説
- 1つの水の滞りが、むくみ・消化不良・だるさ・肌荒れに波及する仕組み
- 五行で見る「土の季節」と脾の関係。なぜ梅雨に悪化するのか
- 梅雨の食卓で脾を助ける食材の選び方と段階的な食養生
- なぜ足の指を動かすことが水の巡りに効くのか、その原理
- 唇・足・むくみから自分の脾の状態を読み取る5つのサイン
梅雨の冷えの「根っこ」を知りたい方へ。
水の巡りの構造から読み解く有料パートは、こちらからお読みいただけます。知りたい方だけ、どうぞ。
FOR / この記事が向いている人
向いている方
- ✓靴下や厚着では届かない場所の冷えに、心当たりがある
- ✓温活グッズを試しても、しばらくすると戻ってくる
- ✓冷えと一緒に、腰や眠りや疲れも気になっている
- ✓毎年同じ季節に、同じ不調が出る
- ✓冷えを「体質」ではなく「状態」として整えたい
今は別の道が合う方
- —外から温めれば充分、いま不足を感じていない
- —すぐに結果が出る方法だけを探している
- —短い情報だけで答えを得たい
PREVIEW / ここから先で扱うこと
- ●あなたの冷えがどこから来ているのか、その入口が見えてくる
- ●季節ごとに腎が応える順番が分かり、毎年の不調を先読みできるようになる
- ●食卓で身体の中から温まる組み立て、黒・塩味・温性の本当の意味
- ●靴下を重ねるより先に動かすべき場所と、その理由
- ●自分の冷えの深さを、仙骨・お尻・足首から自分で読めるようになる
Q&A / 読みはじめる前に
Q. 運動が苦手でも、続けられますか?
続けられます。鍛えることが前提ではなく、本来の動きを思い出すことが前提です。激しい運動は出てきません。日常の合間に取り入れられる範囲で組まれています。
Q. 年齢的に、もう変わらないのでは?
身体は何歳からでも応えてくれます。30年以上の現場で、いちばん早く変化に気づくのは、むしろ長く諦めてきた方々でした。年齢は理由になりません。
Q. 読んだあと、すぐに変化を感じられますか?
早い方は読んだその日のうちに、身体のどこかが軽くなるのを感じます。順番の通りに辿っていただければ、応えてくれる方が多いです。
ここから先に、もう一段深い話があります。
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概念図・PNFC独自の見立て
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