温活より大切な「冷えの受け入れ方」
この記事を書いた人
高田 一壽
たかだ かずひさ
- 役職
- PNFCメソッド 開発者
株式会社ピーエヌエフシーテック 代表 - 臨床歴
- 30年以上
- 施術実績
- 月間200名以上
- 教育
- 療術学院・競輪学校等の講師も実施経験
- 指導実績
- 全国の障害者施設・高齢者施設・スポーツ団体
- メディア
- 大手企業TVCM出演、各種スポーツ団体との契約指導
長年の現場経験から体系化されたPNFCは、「鍛える」のではなく 「本来の機能を取り戻す」 コンディショニング法として確立されました。
この一段奥にあたる話は、別の記事でゆっくり扱っています。
≫ 温めても温めても、まだ冷えている。
温活より大切な「冷えの受け入れ方」
11月になると、また同じ冷えが戻ってくる
朝、布団から出て洗面所に立つ。足の裏がひんやりする。夏の間はすっかり忘れていた感覚が、また今年もやってきている…。
去年も同じでした。秋口から徐々に冷えが強くなり、12月には靴下を二枚重ねにして、湯たんぽを持ってデスクに座って、それでも足先だけが一向に温まらない。生姜湯、腹巻き、貼るカイロ、整体。できることは全部試してきた。
それでも毎年、同じ時期に同じ冷えがやってくる。
心細いですよね。準備したつもりで、追いつかない感覚。「体質だから仕方ない」と半分諦めながら、また今年も温活グッズを出しているというような…。
ただ、ここで一つ立ち止まって考えてほしいことがあります。「準備が足りなかった」のではなく、「準備の方向が違っていた」のだとしたら?
「体質だから仕方ない」と思ってきた方がいます。でも、毎年同じ冬が同じ強さで返ってくるのは、体質ではありません。準備の方向違いが、毎年固定化したサインです。この認識が変わるだけで、次の一手がまったく別のものになります。
衣を重ねること、グッズを買い足すこと。それは「冷えた身体を外から守る」準備です。でも身体の内側(腎の陽気が細くなっている状態)には、外から温めても届かない層があります。
「温める」準備と「温まる力を取り戻す」準備は、まったく別のことなんですね。
夏の過ごし方が、冬の冷えを左右している。そう聞いたら、見え方が少し変わりますよね。
衣と道具では届かない場所がある
冬支度というと、衣替えと温活グッズの準備を思い浮かべます。それは正しいです。でも毎年、同じ冷えが同じ強さで戻ってきているとしたら、「準備の向き」が問われています。
外から温める準備(厚着、湯たんぽ、カイロ)はいわば「逃げる熱を防ぐ」仕組みです。それはそれで意味があります。ただ、熱は最初から身体の中から生まれるものです。熱を逃がさない準備より先に、熱を生み出す力を整えることの方が、根本としては上流にある。
東洋医学では、身体の深部を温める力を「腎陽」と呼びます。腎陽が十分にあれば、冬の寒さは外側から来ても身体の内側は温かいまま保てます。でも腎陽が細くなった状態では、どれだけ外から温めても足先がじんわり冷たいまま、という感覚になります。
そしてこの腎陽が弱くなる原因が、冬になって初めて起きるのではありません。
夏の消耗が秋の肺を乾かし、秋の肺の弱りが冬の腎に届かない。季節はバトンリレーで、前の季節の「ツケ」が次の季節の不調として表れています。11月になって慌てて温活を始めるのは、順番として後ろからになっているんですよね。
熱を逃がさない準備だけでは、熱を生む力には届かない
冬支度は買い物ではない。魔法瓶を思い浮かべてみてください。中身が冷えた状態のまま外側だけ厚くしても、中は温まらない。身体の内側の状態を読み直すことが、本当の冬支度です。衣は重ねればいい。でも腎陽は、外から足せません。
その構造が見えてくると、準備の仕方が根本から変わります。
内側から整えた冬は、朝から夜まで違う
朝7時、目覚めた瞬間に布団から足を出すのが軽い。冬支度を「またやらなければ」ではなく、「身体が応えている」感覚で迎えられる朝。午後3時、外気が冷たくても膝掛けに手が伸びない。夜、お風呂から上がって靴下を1枚減らしても足の指先が温かいまま。これは防寒を厚くして得られるものではありません。腎陽が整っているかどうかの差が、こういう細かい場面に出てきます。
朝、布団から出る。足の裏が床に着いても、じんわりと温かさが残っている。洗面所の冷たい空気を吸っても、身体の中心は揺るがない感覚。
昼、デスクで集中しているとき、足先の冷たさが意識に上がってこない。カイロを貼るか迷わなくていい。その「迷わない」という静けさが、午後の仕事の質を変えます。
夜、お風呂から上がったあと、しばらくして足先がまた冷えてくる。その繰り返しがなくなります。寝る前まで足先が温かい。夜中にトイレで目が覚める回数が減る。身体の深部が整っているとき、眠りが別物になっていきます。
この変化は、防寒を厚くしても得られない類のものです。腎陽が整っているかどうかの差が、日常のそういう細かい場面に出てきます。
ご自身だけでは届きにくい理由
ここで正直に言わなければなりません。
「五行の連鎖を理解する」「腎陽の状態を読む」「季節ごとに食と動きを組み立てる」。この三つが同時に揃わないと、身体の内側の冬支度は動きません。一つだけ試しても、残り二つが揃っていなければ連鎖が起きない構造になっています。
「腎陽が弱い」という状態は、ご自身では気づきにくい。冷えの自覚が薄いほど腎が深く冷えているケースも、30年の現場では珍しくありません。見立てなしに「何かをする」だけでは、的外れになるリスクがあります。
有料パートでは、ご自身でご自分の冷えの深さを読む手がかりと、季節の段階ごとに身体の内側から整える仕組みを、順を追って丁寧に扱っていきます。
腎を整える順序、衣・住・食の組み合わせ、季節の段階を読む見立て。三つが同時に揃わなければ、冬支度は外側だけで終わります。一つでも欠けると、また毎年の冬に戻ってしまう。ご自分でこの三つを同時に組み立てるのは、構造的にかなり難しい作業です。本当は、難しいことを難しいと言わずに「あとは自分でやってください」で終わらせたくないと感じています。全員に当てはまるわけではありません。ただ、この先に進む方には、できる限り一緒に辿れる形で用意しました。
FOR / この記事が向いている人
向いている方
- ✓靴下や厚着では届かない場所の冷えに、心当たりがある
- ✓温活グッズを試しても、しばらくすると戻ってくる
- ✓冷えと一緒に、腰や眠りや疲れも気になっている
- ✓毎年同じ季節に、同じ不調が出る
- ✓冷えを「体質」ではなく「状態」として整えたい
今は別の道が合う方
- —外から温めれば充分、いま不足を感じていない
- —すぐに結果が出る方法だけを探している
- —短い情報だけで答えを得たい
PREVIEW / ここから先で扱うこと
- ●あなたの冷えがどこから来ているのか、その入口が見えてくる
- ●季節ごとに腎が応える順番が分かり、毎年の不調を先読みできるようになる
- ●食卓で身体の中から温まる組み立て、黒・塩味・温性の本当の意味
- ●靴下を重ねるより先に動かすべき場所と、その理由
- ●自分の冷えの深さを、仙骨・お尻・足首から自分で読めるようになる
Q&A / 読みはじめる前に
Q. 運動が苦手でも、続けられますか?
続けられます。鍛えることが前提ではなく、本来の動きを思い出すことが前提です。激しい運動は出てきません。日常の合間に取り入れられる範囲で組まれています。
Q. 年齢を重ねてから始めても、身体は応えてくれますか?
身体は何歳からでも応えてくれます。30年以上の現場で、いちばん早く変化に気づくのは、むしろ長く諦めてきた方々でした。年齢は理由になりません。
Q. 読んだあと、すぐに変化を感じられますか?
早い方は読んだその日のうちに、身体のどこかが軽くなるのを感じます。順番の通りに辿っていただければ、応えてくれる方が多いです。
ここから先に、もう一段深い話があります。
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